高千穂郷・椎葉山地域における世界農業遺産認定10年の意義
宮崎県の北西部に位置する高千穂郷・椎葉山地域は、地域の美しい自然環境と豊かな文化が育まれる場所です。世界農業遺産に認定されてから10年という節目を迎えるにあたり、記念シンポジウムを開催することとなりました。このシンポジウムは、地域の価値や伝統文化を再認識し、次の世代へと引き継ぐための重要な機会です。
。高千穂郷・椎葉山地域は、諸塚村、椎葉村、高千穂町、日之影町、五ヶ瀬町の5つの町村から成り立っています。この地域の98%以上が森林であり、急傾斜地に位置するため、農林業の営みは特に厳しい状況で行われています。それでも、地域の方々は、農業と林業を複合的に行い、独自の生活を築いてきました。その営みの中で、森林や農地に生息する希少な動植物を保護し、美しい棚田景観を維持してきたことは誇るべき成果です。
また、古代からの日本神話や民俗文化もこの地域には色濃く残っています。例えば、神楽などの伝統的な演目は、この地域の文化を今に伝える重要な役割を果たしています。こうした豊かさは、地域住民同士の結束や共同の営みによって支えられています。
シンポジウムの詳細
記念シンポジウムは、2025年10月31日(金)に、ホテル高千穂にて開催されます。シンポジウムの主催は「世界農業遺産高千穂郷・椎葉山地域活性化協議会」であり、農林水産省の後援が行われています。加えて、国際連合食糧農業機関(FAO)の技術協力も受けるなど、国際的な視点を交えたイベントとなります。
会場となるホテル高千穂は、宮崎県西臼杵郡高千穂町大字三田井に位置し、地域の中心地としても知られています。このシンポジウムでは、地域の持続可能な農業や文化の継承方法について議論し、様々な専門家や地域住民が一同に会する機会です。
安定した成長を続ける高千穂郷・椎葉山地域の農業と林業の歴史、文化を通して、未来を見据えた取り組みを共有できる貴重な時間となるでしょう。地域の皆さんはもちろん、全国からの参加者にとっても新たな発見や学びが得られる場となります。
結び
高千穂郷・椎葉山地域の世界農業遺産認定10年を祝うこのシンポジウムは、地域の誇りを再確認し、未来への道筋を考える機会です。一般の参加も可能となっていますので、農業の持続可能性に興味がある方や、日本の伝統文化に触れたい方は、ぜひご参加ください。皆様の参加を心よりお待ちしております。