SR-0379の追加第Ⅲ相臨床試験開始のお知らせ
株式会社ファンペップは、大阪府茨木市に本社を置くバイオ企業であり、皮膚潰瘍の治療を目指す機能性ペプチド「SR-0379」の追加第Ⅲ相臨床試験を開始することを発表しました。この試験は、既に行われた第Ⅲ相臨床試験の結果を受けており、特に重要性が増している褥瘡や糖尿病性潰瘍の早期回復を目指しています。
SR-0379は、20種類のアミノ酸から成るペプチドで、創傷治癒を促進し、感染を防ぐ特性を持っています。このペプチドは、血管新生や肉芽形成を促進することによって、皮膚潰瘍の治癒を助けるだけでなく、抗菌活性も併せ持つため、感染によるリスクを軽減することが期待されます。
今回の試験(SR0379-JP-SU-02試験)は、プラセボ対照の二重盲検方式で実施され、対象となるのは潰瘍サイズが36cm²未満の皮膚潰瘍患者142例です。SR-0379またはプラセボを投与し、その有効性と安全性を検討することとなります。今年12月6日に治験計画届が提出され、PMDAの調査が終了したため、試験の開始が正式に発表されました。
前回の第Ⅲ相臨床試験では、皮膚潰瘍患者対象において、重要な評価項目である「外科的処置に至るまでの日数」において、統計的に有意な改善が見られました。さらに、治験薬との因果関係がある有害事象も確認されず、SR-0379の安全性は高いと評価されています。このような結果を受けて、現在の試験には多くの期待が寄せられています。
ファンペップは、SR-0379の開発を塩野義製薬株式会社と共同で進めており、高齢化社会の進展に伴い、皮膚潰瘍の治療の重要性が増している中で、患者様のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上に寄与することを目指しています。この新たなペプチドは、傷の治療や感染防止を行うだけでなく、患者への負担を軽減する方法として広く活用されることが期待されています。
今後もSR-0379の臨床試験の進捗状況に注目が集まり、その成果によっては新たな治療法の確立が期待されるでしょう。機能性ペプチドの開発は、医療分野において新たな可能性を秘めており、多くの患者に恩恵をもたらすことができるかもしれません。
ファンペップの今後の取り組みに注目し、このペプチドが皮膚潰瘍治療にどのような影響を与えるのか、期待して見守りたいと思います。