神戸の万年筆インク
2018-06-04 18:45:37
神戸の色彩を楽しむ!万年筆インク「Kobe INK物語」が奨励賞受賞
神戸の色彩を楽しむ万年筆インク「Kobe INK物語」が奨励賞を受賞
神戸市を代表する万年筆用インク「Kobe INK物語」が、日本マーケティング大賞で奨励賞を受賞しました。この受賞は、手書き文化の重要性を伝える新たな機会として注目されています。
受賞の喜び
東京のアルカディア市ヶ谷で行われた表彰式に登壇したナガサワ文具センターの商品開発室長、竹内直行氏は、受賞のニュースに感極まる思いを語りました。「今回の受賞はこれまでの努力をすべて忘れさせるほど嬉しいものです。万年筆市場は国内で苦戦している中、この受賞を通じて手書きの良さを広めていきたい」と述べました。
日本マーケティング大賞とは
日本マーケティング大賞は、その年を代表する新しいマーケティング手法やビジネスモデルの開発を促進することを目的としています。今回、最優秀の大賞はサントリーの「クラフトボス」に輝き、地域賞を含めて合計9つのプロジェクトが受賞しました。
「Kobe INK物語」の選考理由は、低迷していた万年筆の市場において新たな価値を創造した点にあります。神戸の地域性を重んじたこの商品は、発売から10年で80色以上のインクを展開し、高い人気を誇ります。
「Kobe INK物語」誕生の物語
このプロジェクトがスタートしたのは2007年。阪神淡路大震災から10年が経過し、街の再生を願い、神戸の色で感謝の手紙を送りたいという思いから生まれました。初めてのインク「六甲グリーン」は、六甲山の樹々の色を表現したもので、万年筆インクとしては非常に珍しい緑色でした。続いて、海をテーマにした「波止場ブルー」や日暮れ時の街をイメージした「旧居留地セピア」が誕生し、神戸の万年筆愛好者の間で次第に話題となっていきました。
万年筆文化の再来
「Kobe INK物語」が発表される少し前から、万年筆の人気は下火になっていました。しかし2012年にフェルメール展とコラボレーションした限定色が発表されたことで、状況は一変しました。それまで万年筆に興味のなかった人々が、フェルメールの影響でインクを手に取るようになり、万年筆を購入する人が増加しました。
2017年には、「Kobe INK物語」の年間売り上げはなんと3万個を突破しました。インクはただの筆記用具ではなく、コレクションやアートの材料としても楽しまれるようになったのです。
限定色と今後の展開
銀座・伊東屋での取り扱い開始や、東京限定色「銀座ゴールドセピア」の発売が話題になっています。また、ナガサワ文具センターのコーポレートカラーを基にしたインクも登場しました。
竹内氏は、「Kobe INK物語」を通じて若い世代に手書きの文化を広め、神戸の魅力を発信していく思いを語りました。
神戸観光局の支援
神戸観光局はこの受賞に際して、全ての作品にストーリーがあることを強調し、竹内氏の神戸愛から生まれた色の数々を讃えています。6月29日には、受賞記念講演会がデザイン・クリエイティブセンター神戸で開催される予定です。
この貴重な万年筆インクプロジェクトを通じて、神戸の魅力と手書き文化の素晴らしさが一層多くの人々に伝わることを期待しています。
会社情報
- 会社名
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一般財団法人 神戸観光局
- 住所
- 神戸市中央区御幸通6丁目1-12 三宮ビル東館9階
- 電話番号
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