日台共創特別講義開催の背景と内容
2026年5月25日、法政大学経営大学院の講義室において、台湾・国立台北大学のビジネススクールが特別講義を行いました。この講義には、同大学のWei-Lun Chang特別教授率いる学生16名が参加し、ゲスト講師にDICT(Design, Innovation, Co-Creation, Technology)メンバーが招かれました。学術的背景を持つ両校がいどんだこのイベントのテーマは「技術革新とコミュニティによる自律分散社会」です。
なぜ「自律分散」が求められるのか
生成AIやWeb 3.0の進展、さらには気候変動の影響や価値観の多様化が進む中で、従来の中央集権的な意思決定モデルでは解決できない課題が顕在化しています。特に台湾ではデジタル民主主義が注目される一方、日本でも地域やコミュニティ、個人の自主的な動きを基盤とする新たな価値創造が模索されています。
この講義は、受動的に知識を与えられるのではなく、自発的に問いを立てる人々がテクノロジーを利用して協力し、新しい社会を共に築く姿を次世代ビジネスリーダーたちが対話する場として設計されました。
学術交流の深まり
この特別講義は、法政大学経営大学院で兼任講師を務める山本晋也(DICT創設者・代表)と国立台北大学のWei-Lun Chang特別教授の長年の友好関係から生まれました。Chang教授は「日本の現場での実情を学生に直接体験してほしい」との思いを抱いており、その期待に応える形でDICTメンバーが登壇しました。
自律分散を実現するプロジェクト紹介
講義では、DICTのメンバーが取り組む4つのプロジェクトが紹介されました。これらは自律分散的な社会を目指し、各々が特有の視点で文化や教育を確立しています。以下にその概要を示します。
1. Project Shion 〜音楽による共創教育〜
OECDとの共同研究を通じて、日本・アメリカ・フランスの学生とプロフェッショナルたちが共創した楽曲『Dreaming of Tomorrow』を基に、未来に向けた視点を育むプロジェクトです。このプロジェクトの責任者である宮坂修平は、教育現場での豊富な経験を活かし、参加者に自分の未来を見つめなおす機会を提供しました。
2. DICT Music DAO Classics 〜新たな音楽文化の創造〜
音楽プロデューサー三留丈樹が率いるこのコミュニティでは、著作権を新たな形で管理し、長期的に文化を継承することを目指しています。クラウドファンディングも成功を収め、音楽の持つ価値を新たに広げていこうとしています。
3. DICT Education DAO 〜現代版松下村塾〜
吉田松陰の教育理念を現代の視点で再解釈したこのプロジェクトは、価値創造の主体を「教えてもらう側」から「共に創る側」へとシフトさせることを目指しています。マーケティングや教育現場での実績を持つ河野翔一と宮坂修平がそのビジョンを語りました。
4. DICT Biblio DAO 〜本を媒介にした新たな価値循環〜
本を通じた文化的価値の創造を目指すこのコミュニティでは、読むことや語ることで生まれる新たなつながりを促進しています。政氏裕香がこのプロジェクトの運営とコンセプトを紹介し、未来の読書文化に向けたビジョンを語りました。
国境を越えたディスカッション
講義の後半では、台湾の学生たちとDICTメンバーとの間で、活発なディスカッションが行われました。文化的差異や価値創造のアプローチに関する鋭い質問が飛び交い、時間を超えて熱気のある議論となりました。学生たちの感想からは、日本の思想や実践に強い影響を受け、自国に持ち帰り新たな実験を始めたいとの声が聞こえました。
DICTの寄付講座の開講
DICTは法政大学に寄付講座を開設しており、今回の特別講義はその一環として行われました。未来のビジネスリーダーたちの学びの場を提供することが、共創の重要な一歩となることを目指しています。
DICTの社会的な役割
DICTは、社会起業家の山本晋也が設立したコミュニティで、Web 3.0やDAOを利用した社会実験を通じて新たな価値創造を追求しています。国内外の多様な拠点で、新しいビジネスモデルや文化が生まれる場として注目されています。
このような活動を通じて、次世代のリーダーたちが自由にアイデアを共有し、協力し合う新たな社会を形作ることが期待されます。