脱炭素社会に向けた人材育成の新たな展開
アスエネ株式会社(以下、アスエネ)と株式会社レクサー・リサーチが、脱炭素化を推進する人材育成事業に関する覚書(MoU)を締結しました。この提携により、ASEAN地域におけるGX(グリーントランスフォーメーション)人材の育成が始まります。今回の取り組みでは、アスエネが持つサステナビリティに関する専門性と、レクサー・リサーチの製造領域での専門知識が合わさり、より効果的な人材育成が期待されています。
AMEICCによる人材育成プログラム
AMEICC(日本アセアン経済産業協力委員会)は、日本政府の支援のもと、ASEANの経済発展を目指す団体です。本年度から始まる「ASEAN Support Program for GX/DX Human Resource Development」は、GX・DX(デジタルトランスフォーメーション)人材を育成するための研修プログラムを提供しています。このプログラムには、アスエネとレクサー・リサーチが提案した「人材育成講座ILX」が含まれ、産官学連携のプロジェクトとして推進されます。
この講座では、自社のCO2排出量の算定や、製品・サービスのカーボンフットプリント(CFP)算定に必要な基礎知識を学びます。これにより、製造業における脱炭素経営を促進するGX人材の育成が進むことが期待されています。
脱炭素目標と人材需要の高まり
ASEAN地域では、脱炭素に向けた規制が強化されており、各国の企業が脱炭素経営を進めることが必須となっています。特に製造業は、CO2排出の大部分を占めているため、脱炭素化を推進するための人材が求められています。しかし、目下、必要な知識やスキルを持つGX人材がASEAN全体で不足しているのが現状です。
提携内容とサービスの概要
アスエネは、CO2排出量を見える化し、削減を支援するクラウドサービス「ASUENE」や、ESG評価サービス「ASUENE ESG」、GX・ESG人材特化型転職プラットフォーム「ASUENE CAREER」を展開しています。これらのサービスを通じて、既に多くの企業の脱炭素・ESG経営を推進しており、アジアNo.1の実績を誇ります。
レクサー・リサーチは、製造分野での生産システムシミュレーションやサイバーフィジカルシステムの事業を展開し、特に製造業向けの人材育成を行っています。この両社が協力することで、製造業におけるGX人材を育成する講座の開発と普及が進むでしょう。
講座「人材育成講座ILX」について
両社及びASEAN現地パートナーのタマサート大学とIJBNETが協力して実施する「人材育成講座ILX」は、ASEAN各国で展開される産官学連携の事業として注目されています。今年度には、タイとインドネシアで7つの講座が共同で実施される予定です。
講座の概要
- - 講座名: 「Basic Training Course for CFP Knowledge and Self-Accounting」
- - 対象者: 日系製造業、または日系製造業から推薦を受けた現地製造業
- - 期間: 2024年12月~2025年1月
各社のコメント
レクサー・リサーチの中村昌弘代表取締役CEOは、「脱炭素活動は国境を越え、国際的な推進が必要です。このためには人材育成を通じて意識の醸成や手法の普及が極めて重要です」と述べています。また、アスエネの岩田圭弘COOも、「ASEANでの脱炭素目標の達成は持続可能な社会と企業の成長に不可欠です。私たちの知見を活かして次世代の人材育成に全力で取り組んでいきます」と語っています。
まとめ
アスエネとレクサー・リサーチによる新たな人材育成の試みは、ASEAN地域の脱炭素化を進めるための重要なステップです。両社の専門性を活かしたこのえるっんで新たな世代のGX人材を育成し、持続可能な社会への貢献が期待されています。