NECが発表した25G SFP28 80km光トランシーバ
日本の大手テクノロジー企業、NECが新型光トランシーバ「25G SFP28 80km BiDi」の販売を開始することを発表しました。この製品は、高速な25Gb/sでのデータ伝送が可能で、80kmの長距離通信に対応しています。急増するモバイルネットワークのトラフィックや、データセンター間の広域接続の需要を受けて、NECは新たな通信インフラの革新を目指しています。
1. 新製品の概要と特長
本製品は、1本のファイバで上り下りの双方向通信を実現した「一心双方向伝送」により、ファイバの本数を大幅に削減します。これにより、システム全体のコストや導入の手間が減少するのが大きな魅力です。出荷は2025年11月末を予定しており、注目を集めています。
高リンクバジェットによる長距離伝送
NECは、80kmの長距離通信を実現するため、高出力レーザーと高感度受信器の組み合わせにより、30dBのリンクバジェットを実現しました。この高い性能は、特にファイバ損失が大きい区間やダークファイバを利用した大規模なネットワーク構築が求められる場面で、その信頼性を向上させることに寄与します。
導入時コストの大幅削減
新型トランシーバは、上りと下りで異なる波長を利用する波長分割多重(WDM)方式により、一本の光ファイバで双方向通信を行います。そのため、ファイバの本数が減り、全体的なコストが下がります。また、従来の40km対応製品で必要だった追加の中継機器が不要になるため、インフラ工事などの運用コストも軽減されます。
省電力設計と既存設備との互換性
この光トランシーバは、産業用の厳しい温度条件での運用が可能で、消費電力は2.5W以下です。これは、従来品に比べ約20%の低減となっており、業界内でも最高水準です。加えて、標準的なSFPポートに直接搭載できるため、既存のシステムにも簡単に取り入れることが可能です。
2. 技術的な仕様
新しい光トランシーバ「25G SFP28 80km BiDi」の仕様は以下の通りです:
- - フォームファクタ: SFP28
- - ビットレート: 25.78Gb/s(イーサネット信号)
- - 波長(アップリンク): 1289nm
- - 波長(ダウンリンク): 1314nm
- - リンクバジェット: 30dB以上
- - 光インタフェース: 25.78Gb/s(NRZ)
- - 電気インタフェース: 25.78Gb/s(NRZ)
- - 消費電力: 2.5W以下
- - 動作温度: -40~+85℃
3. 今後の展望
NECは、自社の技術を活用してネットワークインフラのさらなる高度化と省エネルギー化を実現し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを継続していくとしています。今回の新製品の投入は、その一環として位置付けられています。興味がある方はぜひ、公式サイトを訪れて詳細を確認してはいかがでしょうか。
関連サイト
本件に関するお問い合わせは、NEC 光ネットワーク統括部までお願いいたします。