アグリテックベンチャーの株式会社NEXTAGEが、わさび栽培の技術開発と普及を目指す一環として、横浜市に新たな拠点「横浜C&Mセンター」を開設しました。この施設は、わさび栽培モジュールを導入した顧客に向けた栽培サポートを充実させることを目的としており、9月から運用が始まっています。
近年、わさびの国内生産量は減少傾向にあり、NEXTAGEはこの問題をテクノロジーを駆使して解決すべく、2019年からわさび促成栽培技術の開発に取り組んできました。特に、自動栽培システムの実現に向けての実証試験に力を入れています。2023年秋にはわさび栽培モジュールの受注が開始され、導入先の企業での栽培支援体制の強化が求められる中、今回のセンター開設が実現しました。
横浜C&Mセンターでは、施設内にわさび栽培作業を再現するための専門的な設備が整えられており、わさび栽培モジュールと同等の機器が設置されています。また、各種データを詳細に収集するために、高度なセンサーがモジュールの2倍導入され、環境の変化や植え付け位置による差異を把握することが可能です。このようにして栽培途中に発生する課題をいち早く解消する仕組みを整えています。
センターの具体的な機能としては、わさび栽培模块の検証の他、オペレーションの効率化に向けた提案を行う試験運用が実施されます。これにより、顧客のわさび栽培事業の発展を支援し、持続可能な農業を実現します。
横浜C&Mセンターは、神奈川県横浜市鶴見区小野町に位置し、横浜新技術創造館リーディングベンチャープラザ内305号室に設置されています。センターの開設を記念する動画も公開されており、最新の栽培技術へのアクセスを試みることができます。報告者は「センサー情報をディスプレイに表示し、遠隔からでもお客様の栽培状況を確認できるオフィス機能も強化している」と述べており、資料化・効率化・可視化が進む中で、横浜C&Mセンターが新たな農業の発展を加速させる拠点になることが期待されています。
NEXTAGEは、"ALL JAPAN MADEの植物栽培技術を世界へ"をスローガンに掲げ、国内生産者であるわさびの魅力を広げていく取り組みを継続しています。同社の代表、中村拓也氏は、観光地として知られる地域のわさび田が荒廃する様子を見て懸念を抱き、栽培技術を進化させることを決意しました。その思いは今、わさび栽培の自動化と革新を通じて、多くの人々に伝わろうとしています。
今後、NEXTAGEの動きに注目が集まる中、横浜C&Mセンターが新たなわさび文化の形成にどのように寄与するのか期待されていることでしょう。