多様性を描いた韓国発の絵本『ドロシーマンション』2025年に発売

多様性をテーマにした絵本『ドロシーマンション』

韓国からの新しい絵本『ドロシーマンション』が、2025年5月7日（水）に発売されます。本作は、多様性をテーマにした物語で、色とりどりのキャラクターたちが自分らしさを大切にしながら生きる姿を描いています。

物語は、チェック模様が大好きなタータンというキャラクターが主人公です。彼は、自分の好きなスタイルを持ちながらも、周囲の人々からは気に入られず、いつもそのことを気にかけています。そんな中、「ここは自分には合わない！」と決心し、タータンは新しい住まいを探しに旅に出ることになります。

彼の前に現れるのが、虹色の屋根を持つ「ドロシーマンション」です。このマンションには、色とりどりの個性を持つ人々が住んでいます。ここでは互いの違いを受け入れ、思いやりを持って暮らしています。タータンはそこで、自分自身のありのままを愛し、様々なバックグラウンドを持つ人々を知ることで、彼自身がどれほど特別で価値のある存在であるかを学んでいきます。

この絵本は、子どもたちに多様な生き方を理解し、尊重するというメッセージを強く伝えることを目的としています。登場人物は、全てが「完璧」とは言えない、個々の特徴を持っています。このような魅力的な個性を持つキャラクターが共存することで、物語は全体として美しいハーモニーを生み出しています。

著者のカヒジさんは、自らが女性でありアジア人、そしてLGBTQ+の一員であることを自認する作家です。彼女は、自身が差別や偏見に直面してきた経験を元に、この物語を創作しました。この絵本は、彼女が感じたこと、そして多様なアイデンティティを持つ人々が直面している現実を反映しています。

加えて、この絵本の翻訳を手掛けた加藤慧さんは、韓国語の専門家であり、大学で韓国・朝鮮語の講義を担当しています。彼女の豊かな経験が物語の訳に活かされています。

『ドロシーマンション』のページをめくると、切り絵とイラストが織りなす美しい景色が広がります。この色彩豊かで温もりのある世界は、子どもたちに楽しさと感動を伝えることでしょう。

この絵本を通じて、読者の心に響く思いやりや、他者を受け入れることの重要性が伝わることを願っています。好奇心旺盛な子どもたちにぴったりな1冊となるでしょう。この魅力的な絵本をぜひ手に取って、気軽にその世界を楽しんでみてください。