年末が近づくにつれ、松尾スズキが作・演出を手掛けた舞台「ふくすけ」の特別放送が話題になっています。WOWOWの特製番組として、2024年版の舞台が12月28日(土)午後6時から配信されることが決まりました。さらに、12月27日(金)には12年前の2012年版も9時から放送されるため、連続して松尾スズキワールドを楽しむことが可能です。
この舞台「ふくすけ」は、1991年に初演された作品で、以来多くの観客に親しまれてきました。悪人会議がプロデュースを手掛け、1998年には日本総合悲劇協会によって再演され、12年という年月を経て、再び脚光を浴びています。今回の12年ぶりの上演では、「歌舞伎町黙示録」というサブタイトルが冠され、台本が新たにリニューアルされています。
物語の中心には、薬剤被害により障がいを持った少年“フクスケ”がいて、彼の周りで繰り広げられる人間ドラマが描かれています。この作品では、病院の警備員であるコオロギ役を阿部サダヲが演じ、その妻で盲目のサカエ役には黒木華が起用されています。また、豪華なキャスト陣には、荒川良々や岸井ゆきの、皆川猿時、松本穂香、さらには松尾スズキ自身や秋山菜津子といった実力派が名を連ねており、見応えは抜群です。
新しい視点で描かれる「ふくすけ」は、ただの再演ではなく、よりパワーアップした内容が期待されており、観客の心をつかむことでしょう。特に、登場人物たちそれぞれの背景や感情が深く掘り下げられ、リアリティのあるドラマを通じて観客は感情移入せざるを得ないでしょう。
WOWOWでの放送スケジュールは、特にバラエティ豊かです。12月27日には過去の2012年版が見られ、その翌日には新作が待っています。このように2日連続で同じタイトルが異なるバージョンで楽しめるのは稀有な機会であり、両方の視点から作品を味わうことができます。
放送にあたっての詳しい情報は、WOWOWの公式サイトで確認できます。新旧の「ふくすけ」を見比べることで、松尾スズキの独自の世界観がどのように進化しているのか、また彼が取り巻くキャスト陣の演技の変遷なども楽しめるでしょう。
この特別な年末のひとときを、松尾スズキによる「ふくすけ」で過ごすのはいかがでしょうか。新旧の作品がつなぐ、松尾スズキのアートの世界に浸りながら、年の瀬を迎える素敵な時間が待っています。