デジタルインフラの進化に向けた新たな一歩
最近、デジタルインフラに特化した業務提携が話題を呼んでいます。株式会社日建設計、株式会社ユーラスエナジーホールディングス、NTTアノードエナジー株式会社、リジェネラティブ・インフラストラクチャー株式会社(R11i)の4社が協力し、データセンター(DC)を中心とするデジタルインフラの進化と再構築に向けたワンストップコンサルティングサービスを展開することが発表されました。
社会課題としてのデジタルインフラ
現在、生成AIの普及に伴い、デジタルインフラの役割はますます重要になっています。しかし、その反面、デジタルインフラに関連する課題も顕在化しています。特に、DCの電力需要は急速に増加しており、2030年までに年間240億kWh、2050年には5000億kWhに達する可能性が示唆されています。これは、日本の全非住宅建築物が消費するエネルギーの約1.2倍に相当し、国全体の電力需給に深刻な影響を及ぼすことが懸念されています。
また、DCの大部分が東京と大阪に集中しているため、南海トラフ地震などの大規模災害に対して脆弱な状況です。さらに、老朽化したDCが多く、エネルギー性能や運用効率の改善が求められるにもかかわらず、再整備は十分に進んでいないのが現実です。
コアコンピタンスを活かした業務提携
このような課題に立ち向かうためには、個々の努力だけでは限界があり、複数社の専門知識を集約することが不可欠です。日建設計は建築や設備設計での技術力、R11iはDCの経営や技術のノウハウ、ユーラスエナジーは再生可能エネルギーの専門知識、NTTアノードエナジーは通信業界における幅広いつながりと技術力を有しています。これらのコアコンピタンスが統合され、デジタルインフラの課題解決に挑むことが期待されています。
ワンストップコンサルティングサービス
今回の提携により、各社は以下のような特徴的なコンサルティングサービスを提供します。
1.
多様なDCのマスタープラン支援:インターコネクションDCからハイパースケールDCまで、幅広いサービスの提供を行い、事業計画の立案をサポートします。
2.
グローバルインフラとしての最適配置:国内のDCの配置を最適化し、地方分散を進めることで集中化のリスクを回避します。
3.
脱炭素と地産地消の促進:再生可能エネルギーを用いたDCの普及を促し、冷房排熱を利用した地産地消型DCの構築を目指します。
4.
省エネルギー化の提案:既存DCのリノベーションや企業施設のエネルギー効率化を行い、エンボディドカーボンの削減を実現します。
5.
ライフサイクル全体の支援:事業計画、設計、建設、運用など、DCの全フェーズで包括的なコンサルティングを提供します。
未来への展望
この提携により、4社の専門知識が結集し、デジタルインフラに関する社会的課題の解決に向けて動き出します。クライアントとの連携を深めつつ、高度なコンサルティングサービスを提供し続けることで、日本のデジタルインフラの更なる進化に寄与することが期待されます。また、研究調査を行い、国内外に向けた情報発信も行っていく予定です。
各社の代表者コメント
日建設計の代表取締役社長、大松敦氏は、「各社の専門性を活かした連携が、デジタルインフラの高度化に貢献する」と述べています。ユーラスエナジーの社長、諏訪部哲也氏も「カーボンニュートラル実現に向けた新たなイノベーション創出を目指す」とコメントしています。
NTTアノードエナジーの社長、岸本照之氏は、「DCへの電力需要の増加は、国民生活や産業に大きな影響を与える」と強調し、R11iの古田敬氏は、「人類とデジタル世界の共生を支えるインフラが求められている」と語っています。
この業務提携は、AI社会が抱える課題に対応するための重要なステップとなりそうです。今後の活動に注目が集まります。