未来の行政サービスを実現する次世代技術
2024年9月から12月にかけて、ANAホールディングスのスタートアップであるavatarin株式会社が、東京都大田区においてローカル5Gとアバター技術を活用した「遠隔区民サービス」の実証実験を行いました。この実証実験は、NECネッツエスアイ、キャンパスクリエイト、電気通信大学、東芝インフラシステムズと共に実施され、行政サービスの向上と業務のDX化を目指したものです。
実証実験の概要
実証実験は、大田区役所本庁舎で行われ、指定された場所にアバターロボット「newme」を設置して、遠隔からの行政サービス案内や業務の受付を行うという内容でした。この実験は、ローカル5Gと分散アンテナシステム(DAS)を使用することで、安定した通信環境を実現し、来庁者の利便性を高めることを狙ったものです。
実証期間中、アバターロボットは約2601件の案内を実施し、多言語対応の要求にも一定の成果を上げました。また、区役所職員からは新たな業務に活用できるのではとの声も上がり、成功を収めました。
実証結果の詳細
1.
遠隔による行政サービスの有効性
計48日間の運用で、1日平均約50件という高い対応実績を記録しました。多言語対応も110件行われ、確かな需要が示されました。
2.
ローカル5GとDASの接続効果
実証中の案内成功率は93.3%と非常に高く、データからも通信の安定性が確認されています。特にローカル5Gの導入がこの成功に寄与していることが証明されました。
3.
newmeの受容性
来庁者へのアンケートでは、満足度が7点中5.8点という高評価を得る結果となり、信頼性にも好意的な意見が多数寄せられました。来庁者は、アバターロボットによる行政サービスを快く受け入れ、今後も利用したいと答えました。
次なるステップ
この実証実験を経て、遠隔での行政サービスは新たな時代に突入したと言えます。今後は、ローカル5G及びDASを活用し、さらなるサービスの向上を目指してプロダクトとサービスの開発に注力する予定です。東京都の「次世代通信技術活用型スタートアップ支援事業」に支援を受けながら、企業の価値向上を図ることが期待されています。
このように、次世代通信技術とアバターロボットは、今後の行政サービスにおいて重要な役割を果たすことが予想され、私たちの生活をより便利にしてくれることでしょう。