ガリバー店舗に導入される「アイブリー」:新しいAIの波
株式会社IDOMが運営する中古車買取・販売所「ガリバー」が、対話型音声AI SaaS「アイブリー」を2025年10月から順次導入することが決まりました。この取り組みは、顧客満足度を高めると同時に、従業員の働きやすい環境を構築する目的があります。01
DX推進の一環としての「アイブリー」
このプロジェクトは、IDOMが掲げる“あなたの人生を彩り続ける、「まちのクルマ屋」に挑む。”というミッションに基づいていると言います。IDOMは、顧客接点システムの再構築を進める中で、デジタルトランスフォーメーション(DX)の重要性を認識し、特に顧客対応業務のデジタル化に力を入れています。これにより、業務の効率化とサービス品質の向上を目指しています。
対話型音声AI「アイブリー」をテスト導入した結果、顧客からの電話のデータを通じてニーズを把握することができるようになり、店舗スタッフの最適配置が実現したことが確認され、導入の拡大が決定されました。
アイブリーの導入による成果と期待
ガリバー店舗での「アイブリー」の概念実証(PoC)の結果、具体的には店舗ごとに約1〜2名分の人的リソース最適化が実現したとされています。これにより、通常の電話対応が自動化され、スタッフはより専門的な業務や顧客接客に集中できるようになりました。
さらに、電話応対状況の可視化により、本社は各店舗の受電状況や問い合わせ内容を正確に把握できるようになり、これがコミュニケーションの改善にも寄与しています。電話の内容を解析する「IVRy Analytics」機能を用いれば、顧客のニーズをデータドリブンで把握することが可能となります。
将来の展望と進化
今後、店舗規模ごとの検証を行った上で、さらなる導入店舗の拡大が予定されています。また、IVRyのデータプラットフォームである「IVRy Data Hub」を活用し、顧客からの直接のフィードバックを経営に迅速に届ける仕組みづくりが進められています。この取り組みにより、顧客の声が経営の意思決定に直結し、業務改善やサービスの質の向上を実現することが期待されています。
経営層からの期待の声
株式会社IDOMのデジタル戦略本部チームリーダーである野原昌崇氏は、AIエージェント導入を含めたAI投資の加速を強調し、電話というアナログ業務をデジタル化する意義を語っています。また、今後のIVRyの機能拡張についても高い期待を寄せています。これにより、顧客ニーズの把握から新たな商品やサービスの開発が可能になると言います。
結論
「アイブリー」は単なる電話応答の自動化ツールではなく、顧客との対話を通じて得られるデータを企業の経営資源として活用する大きな可能性を秘めています。今後、AI技術が進化を続ける中で、IDOMがどのように顧客体験を向上させていくのか、その動向に注目です。