安全なエレベーター利用へ向けた戸開走行保護装置の設置率が37%に上昇
エレベーターの安全対策が進展
国土交通省が発表した最新の調査によると、日本国内のエレベーターにおける戸開走行保護装置の設置率が37%に達しました。これは、前年度調査と比較して2.4ポイントの増加を示しており、エレベーターの安全性向上に向けた取り組みが少しずつ成果を上げていることを意味します。
背景
戸開走行保護装置は、エレベーターのドアが開いた状態で、かごが昇降することを防ぐための安全装置です。この装置が設置されていないと、利用者が乗場の戸の枠とかごの間に挟まれる事故のリスクが高まります。平成21年9月以降、新設されるエレベーターにはこの装置の設置が義務付けられていますが、義務化前に設置されたものには、全面的な撤去や新設を行わない限り、設置の義務は発生しません。このため、既存のエレベーターに対しても改修の支援を行い、設置を促進する施策が求められてきました。
調査結果
令和5年度の調査では、約76万台が対象となり、その中の37%にあたる約28万台のエレベーターに戸開走行保護装置が設置されていました。この結果は、設置台数が前年よりも18,301台増加したことを示しています。また、中央官庁の庁舎においても、356台のうち161台に設置されており、特に地方公共団体の本庁舎では63.6%という高い設置率を記録しました。
支援措置
国土交通省では、既設のエレベーターに戸開走行保護装置を取り付けるための防災対策改修工事に対し、支援策を実施しています。今年度の予算案では、リスタート運転機能や自動診断、仮復旧運転機能を追加する工事も補助対象とすることが決まりました。これにより、民間のエレベーターオーナーが各地方公共団体を通じて改修に関する補助を受けることが可能になります。具体的な取り組みについては、エレベーターが設置されている地方公共団体に直接問い合わせることを勧めます。
おわりに
エレベーターの安全性を高めるための努力は、今後も引き続き重要です。設置率の向上は、利用者の安全を確保する一歩であり、さらなる普及が期待されます。このような取り組みが進んでいくことで、安全な社会の実現が近づくことでしょう。エレベーター利用者の皆さんも、自身の安全を守るため、こうした施策に注目していく必要があります。