環境にやさしい新製品「Kami tocasi」の魅力
2023年7月、株式会社彩ユニオンが発表した新たな紙製マネキン「Kami tocasi(カミ トカシ)」は、環境に配慮した斬新な製品です。従来のマネキンは主にFRP(繊維強化プラスチック)で作られ、強度はあるもののリサイクルが難しいことが多く、廃棄物として処理されるケースが多いのが現実です。この問題に対し、彩ユニオンは、サステナブルな素材である紙を用いたマネキンの開発を進めてきました。
「Kami tocasi」は、卵パックなどに使用されるパルプモールド製法を採用しており、この製法により短期間で製造できる上、コスト面でも優れています。特に、環境負荷を低減するために古紙やファブリックの端材を使用することで、オリジナリティを兼ね備えています。例えば、デニムの端材を混ぜることで、青色のボディを持つマネキンが実現可能です。このように、見た目にもこだわった製品展開が行われています。
「Kami tocasi」の主要な特徴
- - サステナブルな製法: 「Kami tocasi」は、紙を溶かして型に流し込むことで成形されるため、資源の無駄を最小限に抑えています。
- - 多様なデザイン: ファブリックの端材を用いることにより、カスタマイズの幅も広がります。これにより、アパレルブランド自身のカラーやスタイルを反映したマネキンが可能となるのです。
- - リサイクル可能: 本体は紙製、フレームにはスチールや木材を使用しており、石油由来の素材を一切使っていません。使用後は分別が容易であり、リサイクルしやすいという点も大きな特長です。
Kamiシリーズについて
「Kami tocasi」は、同シリーズの一環として登場しました。現在展開されている「Kamiシリーズ」には、上半身のみのトルソや、先行して販売されているオールハンドメイドの「Kami tebari」などがあります。これらのマネキンは、エコラインとしてファッション業界から高い評価を得ています。
開発の背景と目的
「Kami tocasi」の開発には、昔の日本の伝統技術を再活用するという意図が込められています。1933年に設立された彩ユニオンは、和装マネキンの製作を行っていた歴史もあり、この技術に基づいて新たなマネキンの開発に挑んだのです。伝統と現代の技術を対比させることで、高い耐久性を兼ね備えた紙製マネキンが実現しました。
彩ユニオンの環境への取り組み
彩ユニオンは、サステナビリティ・ポリシーを掲げ、環境負荷の軽減に努めています。環境のために、リサイクル可能な材料を使用した製品を開発し、店舗のディスプレイや什器にも持続可能な資材を取り入れています。また、植樹活動やオフィスへのソーラーパネル導入といった取り組みも行い、地域社会への貢献も目指しています。
企業情報
本社を京都市に構える彩ユニオンは、1933年に設立し、ディスプレイ什器や演出物の企画、製造、販売と幅広く事業展開を行っています。近年はサステナビリティを重視した作品に特に力を入れ、未来志向の製品づくりを進めています。
新たな時代のニーズに応える「Kami tocasi」は、環境にやさしく、ブランドの独自性を表現するための最適なアイテムです。これからのファッション業界において、ますます重要な存在となることは間違いありません。