Craifが国の研究事業に採択、健康管理の新たなステージへ
バイオAIスタートアップのCraif株式会社が、経済産業省中小企業庁の研究開発支援事業に採択されました。これにより、名古屋大学との共同プロジェクト「『診るトイレ』の実現」へと進みます。このプロジェクトは、尿中のバイオマーカーをポイントオブケアで測定するシステムを確立することを目的としています。
研究開発背景と現状の課題
日本の国民医療費は48.0兆円を超え、過去最高を更新しました。同時に、平均寿命と健康寿命の差が指摘され、「不健康期間」の増加が大きな問題となっています。この状況を打破するには、治療中心から予防重視へと健康管理の枠組みを変える必要があります。
しかし、予防的健康管理には、年一回の健康診断では測定できない日常の健康状態に関する継続的なデータが不可欠です。ところが、特定健診の受診率は目標を下回っており(59.9%、目標は70%)、ウエアラブルデバイスも心拍数や体温などの生理的マーカーまでしか対応できていません。
Craifの新しいアプローチ
今回の研究開発事業では、日常的な排尿時に体内のバイオマーカーを自動で測定する「トイレ統合型デバイス」を開発します。このデバイスを使用すれば、痛みを伴わず、自宅で簡単に健康情報を取得することができます。
特徴
1.
尿を活用した無痛測定: 従来の採血に代わって、痛みなく、日常的に尿を通じてデータを取得します。
2.
自動測定の実現: 電気化学的検出機構やマイクロ流路を用いて、自動的に排尿行為の中で分析が行われます。
3.
多様なバイオマーカーの測定: 現在の研究ではDiAcSpmや尿酸など、複数の健康指標を一つのプラットフォームで確認できるように拡張していきます。
このシステムの実用化により、健康管理のインフラが変わり、国民の健康寿命の延伸と医療費の抑制に寄与するとCraifは期待しています。
成長型中小企業等研究開発支援事業の意義
この支援事業は中小企業が大学や機関と協力し、製品開発や販路拡大を目指す取り組みを支援するプロジェクトです。Craifの取り組みは、この事業の趣旨に合致しており、中小企業のものづくりの高度化に寄与するものとされています。
Craifのビジョン
Craifは2018年に設立され、がんの早期発見を目指してさまざまなバイオマーカーの検出技術を開発しています。今後もバイオテクノロジーとAIを活用し、「人々が天寿を全うする社会の実現」に向けて取り組んでいきます。新たな健康管理の時代を共に迎えましょう。