3Dシステムで設計効率化
2025-02-27 11:41:23

鹿島が開発した3Dモデル自動生成システムで設計作業が激減!

鹿島が開発した新しい3Dモデル自動生成システム



鹿島建設(社長:天野裕正)は、道路橋の床版取替工事の設計時間を劇的に短縮するために、3Dモデル自動生成システムを開発しました。この技術の導入により、これまで熟練のCADオペレータが手作業で行っていた繰り返しの作業が大幅に効率化され、設計業務にかかる時間を約10分の1に減少させることができました。

自動生成システムの概要



このシステムは、道路の線形情報や必要な部材数値を入力することで、自動的にプレキャストPC床版の3Dモデルを生成します。これにより、部材同士が干渉しないように配置することが可能で、また鋼桁の情報を加えることでも、その反映ができます。さらに、3D測量点群データを導入することで、現状と設計間のズレを容易に確認できるようになりました。この革新により、何度でも容易に設計の修正が可能となります。

実際には、阪和自動車道の雄の山第1橋など、16橋の橋梁更新工事に本システムを活用した結果、設計業務に要する時間が通常の1/10程度にまで削減されました。これは、従来の手作業のプロセスを自動化することで得られた大きな成果です。

開発の背景と課題



日本国内では高度経済成長期に整備された多くの道路橋が、供用開始から50年以上が経過しています。そのため、各地で床版取替工事が進められており、プレキャストPC床版の設計には多くの手作業が伴います。道路橋の床版は、約2メートルごとに分割されて取り扱われることが多く、それぞれの寸法が異なるため、従来の手作業による設計では膨大な時間を要する課題がありました。また、図面と実際の現況との間にズレが生じやすく、修正作業も煩雑だったため、設計の生産性向上が急務でした。

システムの機能と成果



新たに開発された3Dモデル自動生成システムでは、以下のような性能を持っています。

1. 3Dモデルの生成



システムは、道路線形をただ数値入力するだけで、3次元的に橋梁の構造を再現します。床版の形状を自動で割り付け、指定された厚さや長さのデータに基づいてモデルを生成します。これにより、約250枚にも及ぶ床版を1枚ずつ手作業で設計する必要がなくなります。

2. 配筋モデルの自動生成



鉄筋のサイズや配置に関しても、数値入力さえすれば自動的に3Dモデルが生成され、互いに干渉しないよう配置されます。これは、全体の設計精度を高めることに寄与しています。

3. 設計の見直しの容易さ



生成された3Dモデルは、測量データを基に現状とのズレを分析する機能も持っています。これにより問題点の早期発見や改善策の迅速な立案が可能になり、修正作業もスムーズに行えるようになります。

今後の展開



鹿島建設は、この3Dモデル自動生成システムを複雑な道路線形を持つ橋梁や、プレキャストPC床版の製造や施工計画にまで適用を広げる意向です。また、同社が開発した「スマート床版更新(SDR)システム®」との連携による、さらに高度な情報化施工の実現を目指しています。

工事の概要



  • - 工事名: 阪和自動車道(特定更新等)雄の山第1橋他16橋橋梁更新工事(設計業務その1)
  • - 工事場所: 大阪府泉南市信達岡中~和歌山県和歌山市直川
  • - 発注者: 西日本高速道路株式会社関西支社
  • - 施工者: 阪和自動車道雄の山橋梁更新工事特定建設工事共同企業体
  • - 工事諸元: 床版取替工(撤去・設置)24,000㎡、塗替塗装4,000㎡、橋脚耐震補強6基など多数
  • - 工期: 2021年8月~2025年12月

このように、鹿島建設の新たな技術は、道路橋の設計・施工プロセスを根本から見直し、業界に新たな風を吹き込むこととなりました。


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会社情報

会社名
鹿島建設株式会社
住所
東京都港区元赤坂1-3-1
電話番号

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