日本の文様の全てがわかる一冊
2024年12月15日、きもの総合誌『家庭画報特選 きものSalon』の創刊45周年を記念し、文様解説書『教養としての日本の文様』が発売される。この書籍は、30年以上にわたって雑誌に掲載されてきた「日本の文様」を完全保存版として一冊にまとめ上げたものだ。
著者は小松大秀氏。彼は東京、京都、九州の国立博物館で重役を務めた形の異なる名物研究者で、文様にまつわる深い知識をわかりやすく解説している。小松氏の文体はユーモアに富んでおり、高尚なイメージのある日本の文様の世界を、日常の話題からスタートして読む人を惹きつける。
文様の魅力とそのルーツ
本書は、松竹梅や鶴亀、季節の桜や紅葉など、目にする機会が多い文様の意味や由来を詳しく紹介。グラフィカルな市松文様など、誰もが馴染みのある文様の解説は、まるで小話を聞いているかのように楽しい。中国の故事や日本の古典に関する知識が自然と身につく構成となっている。
内容は目次と索引で簡単に検索できるようにデザインされているが、説明の深さはそれに留まらない。文様の具体例として紹介されるものは、きものを始め、漆芸や絵画など、日本国内で屈指の美術品から選ばれている。
目次の概要
本書は大きく4つの章に分かれており、それぞれ「吉祥文様」「季節の文様」「文芸の文様」「幾何文様」がテーマになっている。特に「吉祥文様」についての解説は、祝いの心を形で表現する文様がどのように生まれたかを探る契機を提供してくれる。
著者プロフィール
小松大秀氏は1949年に長野県で生まれ、学習院大学大学院で人文科学を専攻。その後、東京国立博物館や九州国立博物館、京都国立博物館での要職を歴任し、現在は公益財団法人永青文庫館長や秋田市立千秋美術館館長を務めている。経験豊富な著者がじっくりと文様の魅力を語る。
書籍情報
- - 著者:小松大秀
- - 発売日:2024年12月15日(日)
- - 定価:3,300円(税込)
- - 仕様:B5変型判/208ページ
- - 発行:株式会社世界文化社
この一冊は、日本の文様についての理解を深めるうえで、まさに必携の書となるだろう。興味のある方はぜひ手に取ってみてはいかがだろうか。