生まれつきの文字の困難を理解するイベント
日本では、文部科学省の統計によると小中学生の約2.4%が文字の読み書きに深刻な困難を抱えていますが、読み書きに困難を感じる人は約8%(1クラスに2~3人)に及ぶとされています。これに対し、合理的配慮を受ける権利は、2016年に施行された障害者差別解消法によって保障されています。しかし、実際には多くの人が適切な支援を受けられずに苦しんでいます。特に、ディスレクシアを持つ人々は、周囲から「さぼっている」「やる気がない」と思われることが多く、心の負担が大きくなります。
このような現状を踏まえ、認定NPO法人エッジは、2001年から活動を続けています。具体的には、国語や理科、社会の教科書を音声化し、読み書きに困難な子どもたちに対する学習支援や合理的配慮についての相談を行っています。
会長の藤堂栄子は、息子が留学中にディスレクシアと診断されたことをきっかけに、自身も同様の困難を抱えていることに気が付きました。しかし、当時は大人のための検査機関がなく、60歳になるまでそのことを知らずに過ごしていました。そんな藤堂会長は、自身の経験をもとに、必要な支援を受けられる人を増やすために尽力しています。息子は適切な支援を受け、その後建築デザイナーとして成功を収めています。
この度、エッジでは20周年を記念し、アート展とシンポジウムを開催します。このイベントを通して、読み書きに困難を抱える人々の独自の世界観を表現し、自分らしさを大切にする重要性を伝えていきます。また、過去20年間の取り組みを振り返ることで、現在苦しんでいる方々に勇気を与え、正しい支援を受けることの大切さを広めたいと考えています。
イベント詳細
1. 絵画展: 多才な男たち展
アーティスト: マッケンジー・ソープ、西嶋豊彦、藤堂高直の3名の作品を展示。彼らはディスレクシアに関する独特な感性を持ちながらアーティストとして活動しています。
- - 会場: 江夏画廊 Gallery Enatsu(東京都港区麻布台3-1-5 日ノ樹ビル302)
- - 日時: 2022年10月22日(土) から 30日(日)まで
- - 時間: 11:00 – 19:00(期間中は閉館日なし)
2. シンポジウム: NEXT EDGE「EDGEなミカタ」
テーマ: これまでの20年を振り返り、次世代に思いを馳せる
- - 日時: 2022年10月29日(土)15:30-17:00
- - 形式: オンライン
- - 費用: 無料
- - 内容:
- 1部: 宇野彰教授と藤堂栄子の対談
- 2部: ディスレクシアの若者たちが語る「われらの時代」
このイベントを通じて、参加者が新たな気づきを得ることを目指しています。今後も、ディスレクシアに関する理解を深める活動を続け、苦しんでいる人々を支援していけるよう努めていきます。興味がある方はぜひ参加をご検討ください。
お問い合わせ先:
認定NPO法人エッジ
公式ホームページ