Hondaがタイにて導入した放射冷却素材
本田技研工業株式会社(Honda)は、タイにある工場で新しい取り組みとして、SPACECOOL株式会社の放射冷却素材「SPACECOOL」を導入しました。この取り組みは、空調エネルギーの削減と労働環境の改善を目的としています。
SPACECOOLの効果とは?
SPACECOOLは、直射日光のもとで太陽光からの熱を効果的に遮断し、熱の吸収を抑えるだけでなく、放射冷却の原理を利用して外気温よりも低い温度を実現することが可能な新素材です。この素材を用いることで、従来の暑熱対策技術、たとえば日射反射塗料と比較しても、より優れた空調エネルギーの削減効果が期待されています。
Hondaは国内の寄居工場でこの素材をすでに試験導入しており、建屋間の温度を約15℃低下させ、コンテナハウスの空調エネルギー消費を約46%削減することに成功しています。その成功を受けて、海外進出先としてタイを選びました。
タイの気候への適用
タイは、年間を通じて日本の約1.5倍の平均日射量を誇ります。そのため、空調エネルギーの消費が非常に大きくなります。このような環境下での労働環境改善は必須であり、EGASと呼ばれるHondaの工場では、従来の暑熱対策技術だけでは不十分な状況が続いていました。そこで、放射冷却素材SPACECOOLをハゼ式折板屋根に施工することが決定しました。
これからの展望
SPACECOOL株式会社では、工場や倉庫の屋根面へ本素材を導入する体制を整えています。今回の実績を踏まえ、タイ現地の企業や日系企業の脱炭素解決策として、SPACECOOLの普及を推進していく予定です。
この新しい試みが、カーボンニュートラル社会の実現に向けてどれほどのインパクトを与えるのか、今後の展開が楽しみです。放射冷却素材「SPACECOOL」は、技術革新の力で新たな可能性を開くかもしれません。
参考リンク
本企業の取り組みは、持続可能な社会に向けた一歩となることが期待され、全国的にも波及効果をもたらすでしょう。各企業がどのように脱炭素社会に寄与できるかは、今後の大きなテーマになりそうです。