チームの共通認識を支えるAI技術
株式会社NTTドコモと国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)は、企業の事業成長を促進するための新たなAI技術を開発しました。この技術は、チームの共通認識や役割分担をチャットメッセージからリアルタイムで推定し、可視化するもので、世界初となります。
SMMの重要性と課題
近年、ビジネス環境が複雑化する中で、チームのパフォーマンスを最大限に引き出すためには、Shared Mental Model(SMM)と呼ばれる共通認識が不可欠です。SMMスコアは、チーム内での「仕事の進め方」や「役割分担」の理解がどれほど一致しているかを示す指標であり、これを高いレベルで維持することが重要です。従来の手法では専門家によるアセスメントが一般的でしたが、これには時間や労力がかかり、迅速な評価が難しいという課題がありました。
AIを活用した新技術
今回の双方向の成果により、ドコモが開発したグラフニューラルネットワークを利用し、SlackやMicrosoft Teamsでのメッセージを解析することで、チームのSMMスコアをリアルタイムに推定できる技術が誕生しました。メッセージを「情報共有」や「感謝」などのカテゴリに分類し、それらがどのように伝わっているかを分析することで、チームの共通認識を高精度に測定します。
この方式では、従来のアンケート調査の必要がなくなり、チームメンバーの負担を軽減しながら、プライバシーを保護したままデータを分析可能です。これにより、どんな時でもリアルタイムでチーム状態の監視が可能となります。
マネージャーにとっての利点
この技術により、チームリーダーは瞬時にSMMスコアの変化を把握でき、必要に応じたコミュニケーション施策を即座に施行することができます。また、新メンバーの参加によって、チームの共通理解がどのように進んでいるかを確認することも容易になります。これにより、効率的な業務の遂行が実現されます。
実証実験の結果
実際にドコモ社内で行われた実証実験では、高精度なSMMスコア推定が確認されました。これにより、メッセージの内容、カテゴリ、指向性を明確に組み合わせることで、従来の手法を圧倒する結果が得られました。この成功により、今後は他の企業や組織でもこの技術の適用が検証される予定です。
未来の展望
両者は、この技術を利用し企業の業務改善や生産力向上に寄与することを目指しています。また、この技術に関する論文が2026年にバルセロナで開催される国際会議『CHI 2026』にて発表される予定です。今後の進展から目が離せません。
本技術は、企業運営において新たな可能性をもたらすものであり、チームのパフォーマンス管理に革命をもたらすことでしょう。