ダイヤモンドデバイス用ウエハーの革新に向けた新手法
国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)と株式会社イーディーピーの研究者たちが、新たな接合技術を開発しました。この技術は、シリコンウエハー上に複数の小さなダイヤモンドウエハーを貼り付け、大面積のウエハーを実現するもので、特にダイヤモンドの特性を最大限に引き出すことを目指しています。
ダイヤモンドの特性とその利用価値
ダイヤモンドは、高い熱伝導性と放熱性を兼ね備えており、特に高温環境や大電力を必要とする分野でのデバイス応用が期待されています。しかし、ダイヤモンドウエハーの大面積化は、産業化を阻む大きな課題として残っていました。既存のシリコンウエハーとの接合技術が進展する中、今プロジェクトでは、この課題に新たなアプローチを取り入れました。
新手法の詳細
開発チームは、ダイヤモンドとシリコンの間の熱膨張量の差に注目し、その差を接合時の温度を高くすることで抑えられることを確認しました。通常、異なる材料を接合する際には、熱膨張による反りが問題となりますが、高温で接合することで、この反りを大幅に低減できることが示されました。条件としては500℃から600℃以上の高温が必要ですが、これによりダイヤモンド/シリコンの複合ウエハーが強固に接合されることが確認されました。
微細加工への応用
また、このウエハーは、汎用的な半導体製造装置で加工が可能であることが判明しました。ステッパーを使用して細かいパターンを描く際、接合時の反りが極めて少なく、95%の成功率で微細なラインを作成できる結果も得ています。この成果は、ダイヤモンドデバイスの量産に向け、重要なブレークスルーとなるでしょう。
社会実装に向けた期待
今回の研究により、ダイヤモンドデバイスの社会実装に向けた道が開けました。ダイヤモンドの特性を活かした新たなデバイスは、エネルギー効率の改善や耐熱性の向上をもたらし、様々な産業分野での革新を促進することが期待されています。今後は、より大きなダイヤモンドウエハーを用いたデバイス製造が進められる見込みです。
結論
新技術によって、ダイヤモンドデバイスの実用化が一歩前進し、高性能な電子デバイスの未来を広げる可能性があります。我々は、この革新がさまざまな業界に与えるインパクトに期待し、観察を続けていきたいと思います。
この研究結果は、2026年2月2日に「ACS Applied Engineering Materials」に発表される予定です。