伝統の小石丸から新たな創造へ！コ・クリエーションプロジェクトの始動

日本の美しい衣文化の源流に位置する小石丸。この在来種の蚕は、江戸時代から親しまれ、独特のしなやかさと美しい艶を持つ絹糸を生産します。小石丸の糸は軽やかでありながら温かみを持ち、まさに「天女の羽衣」と形容されるにふさわしい素材です。現在、この絹は皇后の親蚕として使われており、宮崎県の「綾の手紬染織工房」だけがこの貴重な素材の通年生産を行っています。

私たちの新たな挑戦である「Co-ishimaru Silk Project」は、小石丸の新しい価値を見出し、それを未来につなげることを目的としています。日本の伝統仕立てを現代にアレンジし、多様なクリエイターたちと共創することで、新たな魅力を引き出していくのです。このプロジェクトのスタートとして、2020年度には小石丸の着物生地を用いた作品アイデアの募集が行われます。

小石丸は明治時代において、日本を代表する蚕の一つとされましたが、経済効率が重視される中で市場から姿を消す時代もありました。しかし、その価値が再認識され、現在は古代の絹糸に近い品種として脚光を浴びています。このプロジェクトは、小石丸の材料である自然の美しさを日本の手仕事で表現しながら、次の世代へと受け継いでいくためのものです。

プロジェクトの実行委員長である二上拓真氏は、「小石丸の価値は素材を愛する人の手に渡って初めて完成する」と述べています。手仕事から生まれる作品は、五感に訴えかけ、生活に彩りを与えます。これらの取り組みを通じて、私たちは小石丸の美しさをより多くの人々に伝えたいと考えています。第一弾のアイディアコンテストでは、小石丸の絹を用いた新たなデザインプランを募集します。職業、年齢、居住地に関係なく誰でも参加可能で、魅力あふれる作品が待たれます。

作品デザインは、独創性や素材との親和性、ストーリー性、機能性が重要視されます。採択された3点の作品は、香港のセレクトショップ「THE LAB」で展示され、またプロトタイプ制作の機会も提供されます。小石丸の魅力を生かした作品作りを通じて、ぜひ素晴らしいアイディアを多くの方に提案していただきたいです。募集中の詳細は公式ウェブサイトにて確認できます。日本の伝統ある衣文化を未来へとつなげる一助となりましょう。

私たちのプロジェクトは、ただの展示にとどまらず、採択された作品が未来に向けた商業化や販路開拓へと繋がることを期待しています。小石丸の持つ独自の美しさと伝統技術を大切にしながら、私たちのライフスタイルに融合させていくことが目標です。参加をご希望の方は、ぜひ積極的な応募をお待ちしております。