未来を切り拓く国際協力の新たな展望
先ごろ、独立行政法人国際協力機構(JICA)は、顕著な国際協力活動を行った個人と団体を伺う「JICA国際協力賞」の授賞式を開催しました。今回の授賞式は2024年1月21日に行われ、受賞者として、コスタリカの「障害者自立法」成立に寄与したウェンディ・バランテス氏、WHO推奨の医療テクノロジーを開発した香川県の原量宏氏と尾形優子氏、沖縄から障害者の自立を推進する高嶺豊氏が名を連ねました。彼らの活動は、実績をもとに社会を変えるための具体的なモデルを示しており、その思想は国内外で高く評価されています。
330kmの行進が掘り起こした自立への道
受賞者の一人、ウェンディ・バランテス氏は、自らも障害を持つ中で、障害者の自立を促進する法律を成立させるために草の根活動に取り組みました。彼女は、2016年に行った280kmの車いす行進を通じて、公共資金を用いた介助者派遣制度の必要性を訴え、国民からの強い支持を得ました。この行動はメディアで広く報道され、障害者自立推進法の成立を後押ししました。
バランテス氏は、今回の受賞について、「私たちの闘いは、人間として尊厳を持つためのものである」と語り、障害者が社会において「治療を待つ患者」ではなく、「社会を良くする力を持つ市民」であるべきだと力説。彼女の活動は、ラテンアメリカ全体に影響を与え、多くの障害者が自立した生活を実現するモデルとなっています。
WHOの推奨がもたらす国際的信頼
医療分野では、原量宏氏と尾形優子氏が開発した「iCTG」が注目されます。この革新的な医療機器は、妊婦が孤立した地域でも胎児の健康状態をリアルタイムでモニタリングできるというものです。特に、2018年にはWHOから初めての推奨を受け、国際的にもその信頼性が証明されました。このユニークな技術は、世界17カ国で導入されており、政府施策と連携しながら、医療の格差を埋めることに貢献しています。
原氏は、「テクノロジーで挑むSDGsと周産期医療の国際貢献」をテーマに、自国の地域医療における困難を克服すべく、具体的な解決策を模索しています。一方、尾形氏は、「どこにいても安全に産声を上げられる未来」を創造するための取り組みの重要性を強調し、希望の光と展望を示しました。
「障害主流化」の実現を目指して
最後に紹介するのは高嶺豊氏。彼は、自身の経験を通じて、「誰一人取り残さない社会」を実現するために、24年以上にわたり国際的に障害者政策の推進に携わってきました。高嶺氏の活動により、沖縄では「共生社会条例」が制定され、国内外での知見が還元されています。
高嶺氏は、経験を活かして世界中の障害者の声を「社会変革の主体」として生かし、数々の制度改善を実現してきました。彼は、障害者の自立と社会参加を促進する重要性を訴え、今後もその活動を続けていく決意を示しました。
国際協力が生み出す未来の希望
これらの受賞者たちの取り組みからは、日本発の理念や技術が今後どのように国際社会に貢献していくのかが見えてきます。国際協力の重要性が高まる中、彼らの活動は「日本から世界へ」という循環を生み出し、さらなる発展を迎える未来のカギを握っています。国際協力を通じて、誰もが取り残されることのない、共生社会の実現が期待されるのです。