ウクライナ避難民に寄り添うクリスマス
日本に避難しているウクライナ避難民たちにとって、このクリスマスは特別な意味を持つものとなります。ロシアによる軍事侵攻が始まってから、すでに1000日が過ぎ去り、その影響は国内外に広がっています。現在、日本には1984名のウクライナ避難民が暮らしており、その中で多くの人々が新しい生活の基盤を築こうと奮闘しています。ですが、残念ながら、来春から公的支援が次第に終了することが決定しており、彼らの生活には新たな不安が募っています。
東京都内に住むウクライナ避難民たちは、全体の3分の1を占める220名に達します。日本YMCA同盟は、彼らの困りごとや生活に関する相談を随時受け付けており、個別に支援する活動を続けています。しかしながら、「こんなにも戦争が長引くとは思わなかった」と、避難民たちの心には不安が渦巻いています。
そんな中、クリスマスが近づき、公益社団法人日本児童青少年演劇協会の協力のもと、ウクライナと日本の親子のために、人形劇団ポポロがウクライナ民話『てぶくろ』を上演することとなりました。この物語では、小さな手袋に次々と動物たちが入っていく様子が描かれています。主人公のねずみは、「わたしも入れて」と他の動物たちを招き入れ、最終的には大きなクマも参加します。小さな手袋が限界を迎える中、皆が少しずつ譲り合いながら、温かく過ごす姿は、共に生きることの大切さを教えてくれます。
日本で迎える3度目のクリスマス。避難時には小さかった子どもたちも今では小学校に通い、日本語を話せるようになりました。しかし、母親たちは慣れない環境の中でアルバイトに追われ、十分に日本語を学ぶ機会もなく疲れを感じています。そんな彼女たちには、クリスマスのひと時が少しでも癒しとなることを願います。
この公演は、クリスマスが近づく中、ウクライナの家族が日本で何かしらの温かさを感じられる機会となることでしょう。さらに、公演後にはウクライナの聖ニコラスが登場し、子供たちに祝福のメッセージやプレゼントを贈る予定です。このようなイベントが、彼らにとってのクリスマスの思い出を彩ることを期待しています。
開催要項
日時:2024年12月7日(土)12:00~14:45
場所:東京YMCA山手コミュニティセンター(最寄駅:高田馬場駅または西早稲田駅)
スケジュール
メディア向け「ウクライナ避難民の現状とこれからの見通し」質疑応答
※日本YMCA同盟ウクライナ避難者支援プロジェクト責任者 横山由利亜
子どもと大人のためのクリスマス人形劇『てぶくろ』上演
ウクライナの聖ニコラス登場と記念撮影・レクリエーション
第一部では、ウクライナ避難民の状況についての説明が行われ、その後、人形劇と祝福のセレモニーが続きます。この特別なクリスマスを通じて、ウクライナ避難民と日本の人々がつながり、互いに支え合う温かいコミュニティが広がることを願っています。