JR東日本、音声情報をテキスト化する「みえるアナウンス」を導入
JR東日本が試行導入する「みえるアナウンス」は、ヤマハ株式会社が開発した音のユニバーサルデザインを実現するテクノロジー、SoundUDに基づいた新たなアプローチです。このサービスは、駅構内で行われるアナウンスを、聴覚障がい者や外国人旅行者など、さまざまなお客様が利用できる形でテキスト表示します。
導入の背景と目的
今回の導入は、2025年に開催予定の「東京2025デフリンピック」を控え、駅利用者の多様なニーズに応えるものとなっています。訪日外国人や聴覚に不安のあるお客様から寄せられた「駅放送をもっと分かりやすくしてほしい」という要望に応えるため、このシステムが開発されました。
「みえるアナウンス」は、駅係員が操作する専用アプリを通じ、4言語(日本語、英語、中国語、韓国語)のアナウンスを放送します。お客様は、自分のスマートフォンで設定した言語でアナウンス内容がテキスト表示されるため、音声が聞き取れない場面でも安心して情報を受け取ることができます。
使い方とテクノロジー
このサービスには、駅係員がアナウンスを行うためのタブレットやスマートフォンアプリ「おもてなしガイド for Biz」が含まれています。また、お客様がスマートフォンをかざすか二次元コードを読み取ることで、専用の「トリガーボード」がアナウンス内容を即座にテキスト表示します。これにより、アナウンスの内容を視覚的に確認できる仕組みが整っています。
試行対象駅
「みえるアナウンス」は、2025年11月開催の「東京2025デフリンピック」に関連する駅や外国人の利用が多い駅を中心に、以下の12駅で試行導入されます:
- - 浜松町駅
- - 渋谷駅
- - 赤羽駅
- - 上野駅
- - 秋葉原駅
- - 鎌倉駅
- - 平塚駅
- - 国立駅
- - 千葉駅
- - 新木場駅
- - 長野駅(新幹線改札内のみ)
- - 東京駅(準備が整い次第開始)
これらの駅は、多様なお客様が利用する場所であり、高品質な情報提供が求められています。試行導入は2025年8月1日から2026年3月末までの予定です。
今後の展望
JR東日本は、今回の試行導入を起点に、今後のサービス展開を進めていく考えです。駅係員の音声アナウンスをリアルタイムでテキスト化する機能や、放送内容のカスタマイズ性を高めることで、より一層多様なニーズに応えていくことでしょう。また、お客様の意見を元にサービスを改良し、全てのお客様が安心してご利用できる環境作りに注力します。
まとめ
このように、JR東日本の「みえるアナウンス」は、音声情報を視覚的に提供することで、駅利用者のさまざまなニーズに応える新しいサービスを実現しています。多様化する社会の中で、こうした取り組みがますます重要となることでしょう。私たち一人ひとりが、移動の際に不安やストレスを感じずに、快適に旅を楽しめる未来が期待されます。