中古住宅購入者が選ぶ、増加する大型リフォームの実態とは

大阪府吹田市を拠点に置く株式会社アートリフォームが実施した調査によれば、近年、中古住宅購入時におけるリフォームやリノベーションの需要が急増しています。特に、1000万円以上の大規模工事の件数が直近5年間で約7倍に達しており、リフォーム業界における趨勢を大きく変えつつあります。

リフォーム工事の件数と依頼金額の推移

アートリフォームは、中古住宅購入者がリフォーム依頼時に支払う金額の変遷を丹念に追跡しています。その結果、500万円以上の工事件数が3.1倍、さらに1000万円以上の工事は約7倍に増加していることが判明しました。かつては年間十数件しかなかった1000万円以上のリノベーションが、2024年度には100件を超える見込みです。このような変化は、建築資材の高騰に伴う新築物件の価格上昇が影響していると考えられます。

中古住宅の人気が高まる背景

国土交通省の施策により、中古住宅市場やリフォーム業界の発展が後押しされている現状です。特に、首都圏では新築販売戸数と中古流通量が逆転しており、住宅購入者の選択肢として中古物件が拍車をかけている状況です。

不動産経済研究所のデータによると、首都圏の新築マンションの平均販売価格は昨年対比で34%も増加して8424万円に達しています。これは、中古住宅市場への需要がどれだけ高まっているかを物語っています。

個々のライフスタイルを反映したリノベーション

さらに、近年のトレンドとして、個人のライフスタイルや美意識に合った住宅作りを求める消費者が増加しています。彼らは新築の高騰を懸念し、自由度の高いリノベーションを選ぶようになっています。アートリフォームでは、顧客が求める「豊かな暮らし」を実現するため、住宅のみならず、家具や家電含む総合的な提案を行っています。

新たな取り組みと今後の展望

アートリフォームは、2022年に特にこだわりを持つ層をターゲットにした買取再販事業を開始しました。この事業では、リノベーションした中古マンションを販売することを目指しています。また、2023年にはアウトドアブランド「SnowPeak」とのコラボレーションを通じて、アウトドア要素を取り入れたリノベーション提案も始まりました。

2024年にはさらに多様な家具メーカーとの連携を図り、完全なライフスタイルの提案を実現するための仕組み作りに着手しています。これにより、住宅だけでなく、生活全般を豊かにするサービスを展開することを目指しています。

アートリフォームは、創業70年、累計15万件のリフォーム実績を背負い、今後も社会の変化に合わせた多様なリフォームのニーズに応えるための努力を続けていくでしょう。