野村不動産グループ、ウッドデザイン賞を受賞
受賞の背景と意義
2024年に創設から10周年を迎える「ウッドデザイン賞」は、木材の持つ魅力や価値をデザインで再構築することを目的としたアワードです。今年は全国から366件がエントリーし、その中から選ばれた226点が表彰を受けました。特に、野村不動産グループの3つのプロジェクトが評価され、受賞に至りました。
この賞の意義は、木の良さを今一度見直し、様々な形で活用していくことにあります。特に近年、環境問題や持続可能な社会への関心が高まる中で、木材を使用した建築やプロジェクトが注目されています。野村不動産グループもその流れに乗り、地域や環境を考慮した取り組みを進めています。
受賞プロジェクトの詳細
1. 「森を、つなぐ」東京プロジェクト
このプロジェクトは、東京都奥多摩町にある約130ヘクタールの森を活用し、地域の森林事業体と連携して木材の生産から加工、利用に至るまでの一貫したサプライチェーンを構築することを目的としています。これは単なるプロジェクトではなく、自然と都市の共生を目指した社会課題解決のモデルケースとなることを目指しています。
特に、気候変動や生物多様性の損失といった問題に対処するため、多くの共創パートナーと連携し、地域に密着した取り組みを進めています。「つなぐ森」として、地域に根ざした森林管理を行い、持続可能な森づくりをしています。
2. オウカス 世田谷仙川
「オウカス 世田谷仙川」は、健康増進型の賃貸シニアレジデンスとして2023年8月に開業しました。ここでは、住む人々が自然と共に、心身ともに健康を保ちつつ、豊かな生活を送れるような仕組みが整えられています。
施設は広大な緑に囲まれた環境の中、地域住民との交流を促すために木造のフィットネス・カフェ棟を併設し、積極的に多摩産材を使ったデザインを採用しています。地域との連携を深め、訪れる人々が安心して過ごせる場所となっています。
3. 野村不動産溜池山王ビル
2023年10月に竣工したこのビルは、旧ビルの建て替え事業を経て、木質サステナブルオフィスとして再生されています。木材を効率よく使用しながらも、高い耐震性と耐火性を実現しており、ワーカーの健康や生産性向上を目指した設計が施されています。
また、外装には印象的な木質ファサードが採用されており、都市の風景に溶け込む美しさを届けています。内外に自然を取り入れることで、親自然的な空間を創出し、環境への配慮も随所に表れています。
総括
野村不動産グループによる今回の受賞は、木材を通じた持続可能な社会づくりに対する強い意志の現れです。都市生活の中で自然を感じられる環境作りは、今後ますます重要なテーマとなっていくことでしょう。今後も、木の魅力を多くの人に伝えながら進化を続けていく彼らの取り組みに、期待が高まります。