布施明、日本武道館公演の感動をWOWOWで独占放送！

布施明、日本武道館公演の模様をWOWOWで独占放送！

2025年5月、日本武道館にて行われた布施明のデビュー60周年記念公演は、彼のキャリア初の武道館公演であり、多くのファンがその瞬間を楽しみにしていました。8000人もの観客が詰めかけ、熱気あふれるアリーナの中、布施が登場する瞬間に場内が静まり返る光景は、まさにこの特別な夜の始まりを告げるものでした。

華やかなオープニング

開演と同時に響き渡った鐘の音と太鼓の激しい音が、観客の鼓動を高めます。真っ黒なジャケットにフォーマルな装いで現れた布施明は、最初の曲「MY WAY」をノーマイクで情熱的に歌い上げました。そのアカペラによる冒頭は、彼の歌唱力の高さを実感させる瞬間であり、観客の心をつかむには十分でした。

その後、軽快なステップを踏みながら「君は薔薇より美しい」を披露し、観客の興奮をさらに引き上げます。彼のロングトーンは見事で、その瞬間、会場全体が熱狂に包まれました。

感情のこもったパフォーマンス

「追憶」の後に、布施は故郷への思いを込め「故郷（ふるさと）」のメロディをハーモニカで表現しました。続けて披露された新曲「旅のいのり」では、歌の力の意味を語り、特別なメッセージを届けます。バッハの「G線上のアリア」が間奏で流れる中、彼は両手を広げ、観客を感動の渦に巻き込みました。

「ようこそお越しくださいました」と彼が感謝を述べると、観客からは大きな拍手が返ってきます。その後、ストーリー性のある「愛情物語を観ましたか」では、バイオリンの旋律が心を打つ瞬間を演出し、ショパンの「ノクターン」の美しい音色も心を揺さぶります。

歌のメドレーと老舗スタンダードの魅力

60周年ツアーの象徴とも言われる「Voyage＜旅路＞」では、彼の活動の軌跡を感じさせるスケールの大きなバラードが展開されます。彼はカバー曲にも挑戦し、希少価値の高いカヴァーを披露。トニー・ベネットの「Because of You」やシャルル・アズナブールの「帰り来ぬ青春」では、彼の音楽への敬意が伝わる表現が光りました。

また、オリジナルシングルを集めた豪華なメドレーでは、『仮面ライダー響鬼』の主題歌や、1974年のレコード大賞受賞曲「積木の部屋」、「シクラメンのかほり」など、今も愛される10曲が演奏され、観客を喜ばせました。

一人芝居とコメディーエレメント

演奏の合間には、コメディーチックなパフォーマンスも導入。老いぼれたタップダンサーを演じる「Mr. Bojangles」や、悲しみを表現した「ピエロ」など、パンクライムな演技を交えて観客を魅了しました。これによって、彼の表現者としての多様性が浮き彫りとなりました。

終盤の感動

公演が終盤に差し掛かる中、彼は「道はまだまだ先に伸びております。この道をもう少し歩いていきたいと思っております」と宣言しました。その言葉は、次なるステージへの期待を感じさせ、観客の心に温かい感情を呼び起こしました。「次の一歩へ」では、自身の人生について歌い上げ、感謝を捧げる「1万回のありがとう」は多くの人々の心に響く瞬間となりました。彼が舞台を去る際、その姿はまさに雄弁さを物語っていました。

観衆を感動の渦に巻き込んだ布施のパフォーマンスは、60年もの時間を共にしたファンとの絆をより一層深めました。というのも、歌うことは彼にとって祈ることでもあるからです。その純粋な思いは、聴く人々の心に深く沁み入るのです。彼の旅は続きます。

バンドメンバー

- 音楽監督＆Pf.: 井川雅幸
- Gt.: 小堀浩
- Ba.: 川嶋一久
- Dr.: 長谷部徹
- Per.: 服部恵
- Key.: 永田友紀

- Vn.: 篠崎正嗣
- Tp.: 奥村晶、二井田ひとみ
- As.: 竹野昌邦
- Ts.: 庵原良司
- Tb.: 半田信英

セットリスト

1. MY WAY
2. 君は薔薇より美しい
3. 追憶
4. 旅のいのり
5. 武蔵野 On My Mind
6. 愛情物語を観ましたか
7. ジャズとゴロアーズ
8. Voyage＜旅路＞
9. Because of You
10. 帰り来ぬ青春
11. メドレー
12. Mr. Bojangles
13. ピエロ
14. 慟哭
15. 1万回のありがとう
16. 次の一歩へ
17. MY WAY
18. You Raise Me Up