東京大学の起業支援プログラム「1stRound」に採択されたOptQC株式会社
光量子コンピュータの実現を目指す東京都のOptQC株式会社が、東京大学協創プラットフォーム開発株式会社が運営する「1stRound」に第11回支援先として選ばれました。「1stRound」は、大学や研究機関による優れた技術とアイデアを事業化し、社会実装を促進するための国内最大規模のアカデミア共催の起業支援プログラムです。
光量子コンピュータがもたらす未来
光量子コンピュータは、これまでの情報処理技術に革新をもたらす可能性を秘めています。現代の情報技術は物理的およびエネルギー面での制約から成長が限界に近づいており、新たな技術の必要性が高まる中で、光量子コンピュータはその解決策となることが期待されています。電気から光、古典から量子という二つのパラダイムシフトを経て、効率的かつ超高速な情報処理を実現することができるのです。OptQCは、商用機を2026年に公開予定で、光量子コンピュータの実用化を加速させるために「1stRound」の多角的な支援を活用します。
「1stRound」プログラムの特徴
「1stRound」は、2017年から東京大学を母体に始まった起業支援プログラムで、多様なコーポレートパートナーと共に成長を目指すコンソーシアム形式で運営されています。このプログラムは、資金支援や専門家の支援を通じて、事業の規模を大きくすることを狙っています。これまでに93チームが採択され、支援後1年以内の資金調達成功率は90%以上という高い実績を誇ります。特に、今後のスタートアップの成長を確実にするために、大手企業との連携も促進されています。
OptQC株式会社の背景と展望
OptQC株式会社は東京大学の古澤研究室からスピンアウトした企業です。創業メンバーは、大学での研究成果を社会に還元する強い意志を持っており、「1stRound」での支援を通じて事業化を加速させています。代表取締役の高瀬寛氏は、現在商用化に向けた第一号機の開発を進めており、この新たな技術がどのように実社会で活用されるかを見守ることが重要になります。
業界の期待と貢献
東京大学協創プラットフォームの1stRound Directorである長坂英樹氏も、OptQCの技術に大きな期待を寄せています。これからのデータ社会では従来の半導体方式の限界が見えてきており、急増するデータに対応する技術が求められています。OptQCは、光量子コンピュータの運用とその普及により、次世代のデータ処理の新たなスタンダードを作り出すことでしょう。
結論
OptQC株式会社の光量子コンピュータプロジェクトは、大学と企業の連携が促進するサポートのもと、未来の情報技術の新たな革新を実現する道へと進んでいます。今後の進展に大いに期待されるプロジェクトです。