子どもたちの学びが生んだオイル漬けの誕生
江田島で行われた「瀬戸内こども調査団in江田島」は、地域の自然環境を学ぶ画期的なプログラムです。この活動を通じて、子どもたちは地元の海と山のつながりを学び、実際に自分たちの手でオリジナルのオイル漬けを作り上げました。「江田島の海と山の恵み まるっとオイル漬け」と名付けられたこの商品は、地元の特産物であるシラスとオリーブオイル、さらに江田島名産の牡蠣を用いています。
このオイル漬けは、豊かな自然の恵みを余すところなく使用しており、鮮やかなパッケージには子どもたちの描いたイラストが施されています。これにより、ただの食品に留まらず、地域のストーリーを伝える役割を果たしています。子どもたちが学んだ内容を反映させたこの商品は、開発だけでなく販売の面でも彼らが参加しており、来場者にその魅力を直接伝えています。
海と山の融合を体感
江田島の特産物を使うきっかけとなったのは、2024年に開催された調査団イベントです。小学5、6年生の20名が集まり、里海と里山の関係を学ぶためにさまざまな体験を行いました。カヌーを使った海の調査では、牡蠣の養殖いかだの近くで多様な生態系を見ることができました。子どもたちは、天然の生物資源がどのように生息しているかを観察し、それらの資源と人間の生活がどのように結びついているかを理解しました。
また、夜のまとめでは地元の環境カウンセラーから講義を受け、江田島の生態系の仕組みや、まさに海の水質の変化についての知識を深めました。子どもたちにとってこれらの体験は、ただの学びでなく、自らの未来を考える契機ともなりました。
オリーブの可能性と新しい産業の芽
2日目には、シラス漁の現場を訪れ、実際に漁師の方から貴重な話を聞くことができました。シラスが動物プランクトンを食べ成長する過程や、漁業の持続可能性について学び、子どもたちはこの問題の重要性を感じ取りました。さらに、江田島の特産オリーブについても学び、高齢化や過疎化が進む中で新しい産業を生み出す可能性に目を向けることとなりました。
江田島のオリーブ畑での収穫体験も行われ、実際に手を動かしながら新しい産業の重要性を理解しました。これらの経験から、彼らは人と自然が共存できる持続可能な未来を考えるようになりました。
地域の宝を広める取り組み
オイル漬けの販売は、地域の特産物を多くの人に知ってもらう重要な手段です。この「江田島の海と山の恵み まるっとオイル漬け」は、調査団員の希望と努力の結晶であり、彼らが地元を愛し守る決意を示すものでもあります。
販売場所では、実際に子どもたちが自らの学びを発表し、オイル漬けの魅力を引き出しながら接客を行います。これにより、訪れる人々に江田島の豊かな自然と文化に触れてもらうことができるのです。
江田島の豊かな自然を基盤にしたこのオイル漬けの開発は、地域の未来を支える重要な取り組みです。子どもたちの熱意が生み出したこの商品が多くの人に味わわれ、江田島の魅力を広げていくことを願うばかりです。