横浜みなとみらいホールでの新たな音楽の誕生
1180年に開港した横浜は、日本の音楽文化、特にオルガン文化の育成において重要な役割を果たしてきました。その象徴的な存在が、横浜みなとみらいホールです。このホールが広げる音楽スペクトラムは、特にパイプオルガン“LUCY”によって、私たちに素晴らしい体験を提供してくれます。日本初のパイプオルガン建造の地から、阿部加奈子氏が指揮・作曲を手掛ける新作オルガン協奏曲が、2025年11月1日に東京で世界初演されることが決定しました。
パイプオルガン“LUCY”の魅力
横浜みなとみらいホールのパイプオルガン愛称“LUCY”は、4,632本のパイプを備え、その圧倒的な音響で聴衆を魅了し続けています。1998年の開館以来、様々なオルガン事業を展開し、市民にオルガンの美しい音色を届けています。この新しい国際的な音楽イベントは、アートが育まれたこの場所に新たな歴史を加えるものとなるでしょう。
阿部加奈子が手掛ける新作オルガン協奏曲
新たに発表される作品は、阿部加奈子氏の「風の睦(むつ)び~オルガンとオーケストラのための3章~」と題されています。彼女は欧州で活躍する作曲家であり、特に現代曲の初演を多く手掛けています。この作品は、オルガンに日本語での「風琴」という言葉からインスパイアを受け、横浜の街の歴史とその成長を、音楽を通じて表現しています。その初演では、彼女自身が指揮をし、神奈川フィルハーモニー管弦楽団、そしてホールオルガニストである近藤岳氏と共に演奏します。この音楽プロジェクトは、阿部氏と神奈川フィルが初めて共演した際、その評価は非常に高かったことも注目されます。
ヨーロッパの影響を受けた音楽
阿部氏の新作は、オーケストラとオルガンが織りなす深い響きの交感を表現します。この新曲は、植物が成長する様子を捉えた3楽章から構成されており、横浜を舞台にしたこの独創的な作品の世界初演に期待が高まります。
フレンチ・プログラムの魅力
さらに期待されるのが、フレンチ・プログラムとしての突出した2曲、サン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付」と、ドビュッシーの交響詩《海》です。これらの名曲は、“LUCY”の豊かな音色で表現され、オルガンの新しい可能性を探求します。
横浜みなとみらいホールが誇るオルガンの響きに合わせて、フランスの音楽文化も体験できるこの特別な公演に、ぜひご期待ください。
公演概要
- - 公演名: 阿部加奈子 指揮/作曲 横浜みなとみらいホール特別演奏会
- - 日時: 2025年11月1日(土) 14:00開演(13:20開場)
- - 場所: 横浜みなとみらいホール 大ホール
- - 出演者: 阿部加奈子(指揮/作曲)、近藤 岳(パイプオルガン)、神奈川フィルハーモニー管弦楽団
- - プログラム: ドビュッシー:交響詩《海》、阿部加奈子:風の睦(むつ)び、サン=サーンス:交響曲第3番 ハ短調 Op.78「オルガン付」
- - 料金: S席7,000円、A席5,000円(学生割引あり)
横浜みなとみらいホールは、音楽文化の発信拠点として、これからも多くの優れた演奏会を提供し続けることを目指しています。新たな試みにご期待ください。