1. カナエとSDGsへの取り組み
大阪に本社を置く株式会社カナエは、包装材料を扱う企業として、2024年から自社工場でのアルミニウム廃棄物のリサイクルに取り組むことを発表しました。このプロジェクトは、単に廃棄物を管理するだけでなく、持続可能な社会の実現にも寄与するものです。カナエの社長である樋高成憲氏は、環境負荷の軽減とともに企業の社会的責任を果たすことの重要性を強調しています。
2. アルミ廃棄物リサイクルの背景
医薬品、化粧品、食品といった幅広い分野で登場するアルミニウム包装材は、環境への影響が大きいとされています。そのため、カナエでは使用済みのアルミニウム廃棄物をリサイクルすることで、環境に与える悪影響を最小限に抑えたいと考えています。特徴的なのは、医薬品メーカーから回収した改版による在庫品やテスト品をカナエが引き取る点です。これらの素材は、協力会社によりアルミ粒に再生され、循環型経済の一翼を担うこととなります。
3. 具体的なリサイクル方法
カナエのリサイクルプロセスは、空シートや抜きカスの分離から始まります。これらはアルミニウムとプラスチックに分別され、それぞれ適切にリサイクルされます。このプロセスはすでに複数の医薬品メーカーと共同で進行中であり、今後も範囲を広げることを目指しています。特に「コスモパック」の製造過程でも新たに生成されるアルミニウム廃棄物に対しても、同様のリサイクル手法が採用されています。
4. 環境への影響の軽減
この取り組みでは以前の焼却処理と比較し、CO2の排出量を約20%削減する見込みです。アルミニウムをボーキサイトから製造する際と比較すると、なんと約97%のCO2削減が期待できます。これにより、企業としての環境負荷を大きく軽減しつつ、持続可能な社会の実現を目指すカナエの姿勢が伺えます。
5. 今後の展望
2024年から開始されるこのリサイクル取り組みにより、カナエは更なるスキームの確立を進めていく予定です。医薬品メーカーから排出されるアルミニウムのロール品も回収し、そのリサイクルプロセスを確立することで、幅広い製品における持続可能な取り組みを進めてまいります。このような手法で、カナエはSDGsへの貢献を強化し、未来の環境をより良いものにするための活動を広げていくことでしょう。
カナエは、今後も持続可能な社会の実現に向けた新たな挑戦を続け、パートナーシップを通じてより持続可能なリサイクルシステムを構築していくようです。
参考文献
1. PTP包装についての詳細
2. コスモパックの技術開発に関する情報
3. プラスチック焼却時のCO2排出量に関するデータ
4. アルミニウム製造プロセスと環境 impactへの知見