絵本寄贈が実現した那智勝浦町のクラウドファンディングプロジェクト
2024年の冬、和歌山県那智勝浦町の保育園児たちに新しい絵本が寄贈されるという、心温まるプロジェクトが実施されました。この取り組みは、特定非営利活動法人APLA(あぷら)と地方出版社らくだ舎出帆室が共同で進めたもので、絵本『バナナのらんとごん』の出版を目的にクラウドファンディングを行い、地域の子どもたちに絵本の寄贈とあわせて読み聞かせを行いました。
クラウドファンディングの成功
本プロジェクトは、2024年8月から9月にかけてCAMPFIREを通じて資金を募り、250万円を目標に掲げました。結果、332人の支援者から得られた286万500円という多くの寄付が集まり、目標を達成しました。クラウドファンディングのリターンとして用意された「子どもに贈るプラン・那智勝浦町編」が特に注目を集め、すぐに完売となったことが、このプロジェクトの人気を証明しています。
絵本『バナナのらんとごん』について
『バナナのらんとごん』は、フェアトレードや規格外食材の利用促進など、子どもたちに必要な情報を届ける内容となっています。この絵本の制作は、APLAが展開する「ぽこぽこバナナプロジェクト」の一環であり、フードロス削減に寄与する目的も含まれています。絵本は、地域の学校施設に15冊寄贈され、親しみやすいテーマで子どもたちに多くの考えるきっかけを与えることが期待されています。
寄贈と講演の様子
2024年の年明け、寄贈された絵本は、那智勝浦町内の7つの子ども関連施設に届けられました。学童保育所や保育園を中心に、合計15冊が配布され、地域の子どもたちに笑顔をもたらしました。また、寄贈された絵本の中には、編集者であり『バナナのらんとごん』の作者でもある千葉貴子さんによる読み聞かせイベントが行われ、参加した子どもたちからは大きな関心と共鳴が寄せられました。
「大人も学びの多い内容でした」と保育士からの声もあり、絵本を通じて年齢に関わらず大切なメッセージを共有できたことに成功したといえます。
地域への思いと未来への展望
千葉さんは那智勝浦町に移住して9年が経ち、夫と共に地域に根ざした出版事業をスタートさせた経緯があります。「地方で本を出すことの意味を考えながら、地域に密着した本づくりをしていきたい」と語る彼女は、全国から集まる支援があったからこそ、このようなプロジェクトが実現できたと感謝の気持ちを表していました。
今後、絵本の販売はAPLAのネットショップやらくだ舎のウェブサイトでも行われる予定です。和歌山に住む方々や全国に興味を持つ方々にとっても、ぜひこの絵本を通して豊かな教育的体験を提供することができればと思います。地域の未来へとつながる絵本プロジェクトがさらに広がることに期待を寄せてやみません。
お問い合わせ先
今後、絵本に関するお問い合わせや販売を考えている方は、らくだ舎出帆室やAPLAまでどうぞ。地域と共に歩むこのプロジェクトが、さらなる広がりを見せることを願っています。特に寄贈や販売拡大に関心のある方々にとって、この絵本は必要不可欠な存在となるでしょう。