イベリア半島の漁業進展
2025-07-09 14:27:02

イベリア半島のヨーロッパマイワシ漁業、MSC認証を回復し持続可能性を確立

イベリア半島のヨーロッパマイワシ漁業が新たな道を開く



スペインとポルトガルの漁業団体が合同で、イベリア半島周辺のヨーロッパマイワシ漁業において、MSC(海洋管理協議会)漁業認証を取得しました。この認証の回復は、両国の持続可能性への取り組みが評価された証であり、漁業業界全体にとっても重要な節目となります。特に、合同による認証取得は今回が初めてであり、その意味は大きいと言えるでしょう。

MSC漁業認証の意義



MSC漁業認証は、持続可能な漁業を実現するための国際的な基準を満たした場合に与えられるもので、消費者に対して環境配慮型の漁業から供給された魚であることを示す重要な指標です。この認証を得ることで、消費者は安心してヨーロッパマイワシを選ぶことが可能になり、持続可能な漁業の実現がさらに進むことでしょう。

漁業団体の協力



今回の認証取得は、スペインとポルトガルの漁業団体15社、317隻の漁船(内訳:ポルトガル132隻、スペイン185隻)、さらにはポルトガルの主要食品業界団体3つの協力によって達成されました。漁業者から加工業者、流通業者まで、広範な業界全体が一丸となって持続可能性を追求してきた結果、認証が実現したのです。

漁業の歴史と課題



イベリア半島のヨーロッパマイワシは、ビスケー湾からジブラルタル海峡にかけて分布しており、ポルトガルとスペインの重要な水産資源です。2025年度には、ポルトガルで34,406トン、スペインで17,332トンの漁獲割当が設定されています。ポルトガルの漁期は4月から11月か12月、スペインでは3月から8月または9月までとなっています。

この漁業は以前、ポルトガル側が持続可能な漁業としてMSC認証を受けていましたが、資源管理の問題により2014年に認証が一時停止されました。しかし、2021年にスペインとポルトガルは共同で新たな管理計画を策定し、この計画には漁獲量の上限設定や禁漁期間の設置が含まれ、持続可能性の向上が図られています。

モニタリング体制の重要性



ここで注目すべきなのは、ポルトガルが設立した「Sardine Monitoring Commission」(ヨーロッパマイワシモニタリング委員会)という重要な機関です。この委員会は、科学者、漁業管理者、およびNGOが共同で設立したもので、漁業管理のモニタリングと実施において中心的な役割を果たしています。これにより、ヨーロッパマイワシの長期的な回復が期待されます。

MSCの取り組み



MSC(Marine Stewardship Council)は、持続可能で適切に管理された漁業の普及を目指す国際的な非営利団体です。1997年に設立され、世界中で活動しています。日本でも、2007年にMSCジャパンが設立され、国内の流通業者によって約700品目のMSC製品が販売されています。これは持続可能な水産物の選択肢を提供する重要な取り組みです。

結論



イベリア半島のヨーロッパマイワシ漁業がMSC認証を取得したことは、環境保護と持続可能な資源管理の実現に向けた大きな前進です。スペインとポルトガルの協力によって、今後も持続可能な漁業の確立が進むことでしょう。消費者としても、これからは持続可能な選択をすることが、未来の海洋環境を守るために必要です。私たち一人一人の選択が、さらなる持続可能性を育んでいくのです。


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会社情報

会社名
一般社団法人MSCジャパン
住所
東京都中央区日本橋兜町9-15兜町住信ビル3階
電話番号

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