新たな希望のアプリ「Poteer」が障害者の社会参加をサポート

日本において、18〜64歳の障害者の約90%が就労の機会に恵まれていないという現状があります。この現象は、特に重度の知的障害や身体障害のある人々にとって大きな挑戦です。社会参加が難しく、経済的自立もい難しいという厳しい現実があります。

2023年、生成AIの進展により、私たちの日常生活や仕事に新たな可能性が広がりました。AIを活用すれば、様々なクオリティの高いアウトプットを生み出すことができます。しかし、私たちはその進化を逆手に取り、「働けない」とされてきた方々に新しい可能性を与えることができないかと考えました。

その結果生まれたのが、障害者が参加することができる社会を目指した「Poteer（ポティア）」です。このアプリはAIを活用したクリエイティブ素材生成プラットフォームで、障害者の日常活動データを使って作品を創出します。

Poteerの特徴と仕組み

「Poteer」では、視線の動きや歩行の軌跡、声のリズムなど、障害を持つ方が日常で行うさまざまな行動をデータとして収集します。これにより、AIを通じてそのデータをクリエイティブ素材に変換し、企業やクリエイターに販売する仕組みを実現します。

具体的には、次の流れで進行します。
1. データ収集: 障害者の日常の行動データを収集します。
2. AI変換: 収集したデータを元に、AIがデザインやビジュアル素材を生成します。
3. 販売・還元: 作成された素材が「Poteer」プラットフォームを通じて販売され、その利益の一部が創作者に還元されます。

このようにして、「Poteer」は新しい雇用を創出することを目指しています。

クリエイティブのバリエーション

アプリを通じて収集されるデータには、歩行の軌跡や様々なジャンルのアートが含まれ、多彩なクリエイティブが展開されます。たとえば、企業向けには

- 季節の挨拶デザイン
- デジタルアートやオフィス空間の装飾用素材
- SNS広告向けのマーケティングビジュアル

などのデザインが提供されます。これにより、企業はクリエイティブの効果だけでなく、社会的な貢献をも実現できるのです。

開発の背景

このプロジェクトの背景には、開発者である小林慎和さんの個人的な体験があります。彼は、最重度の知的障害を持つ息子を育てる中で、障害を持つ人々が抱える課題を身近に感じてきました。そんな彼の思いから「Poteer」は生まれました。

「Poteer」は、障害者の可能性を最大化し、共創による新たな社会の仕組みを提供します。このアプリが、これからどのように人々の生活に寄与できるのか、今後の展開に期待が寄せられています。

興味を持った方は、ぜひ「Poteer」のサービスサイトやアプリのダウンロードリンクを訪れてみてください。障害者の創造力が新しい価値を生み出す、その第一歩になるかもしれません。