環境と共生をテーマにした新しい物流拠点
2025年4月1日、三井不動産株式会社は神奈川県海老名市に国内初となる木造構造の物流施設「三井不動産インダストリアルパーク(MFIP)海老名 &forest」を着工しました。本施設は、ブロック全体が物流用途に加え、約半分がオフィスや研究施設、ラボなどのマルチユーススペースで構成され、テナント企業のニーズに応じた柔軟な拠点創造を実現します。
環境への配慮
この施設の特筆すべき点は、建物の一部に木造を採用していることです。三井不動産グループが北海道に保有する森林から採取した木材を用いることで、CO₂排出量を約40%減少させることが期待されています。これは、持続可能な街づくりと自然との共生を目指した取り組みの一環です。
三井不動産は、木材の利用を通じて、社会に新たな価値を提供することを目指しています。国産材を使用することによって、地域経済にも貢献し、環境の保全も同時に実現することが考えられています。
多様な用途を持つ施設
MFIP海老名 &forestは、物流用途に特化した施設でありながら、オフィスや研究施設、ラボを含む多様な用途が可能です。これにより、テナント企業が効率的に業務を遂行できる空間が提供されます。また、高い階高(6.6m)と広い空間(10.8m×13m)を確保することで、快適な作業環境が実現されます。
ウェルネスを重視したデザイン
施設内のエントランスやラウンジは、木と植物の風合いを取り入れたデザインとなっており、訪れる人々に安らぎと癒しを提供します。特に、3階のラウンジには、保有林から採取した木材を使用し、音響設備も高性能なものを取り入れており、新しい体験を提供することを目指しています。
先進的な建築技術
木鋼ハイブリッド梁により、耐火性能も考慮された設計がなされており、利便性と安全性が両立しています。また、木材の使用は「バイオフィリア仮説」の観点からも注目されており、自然とのつながりを求める人々に寄り添った空間作りが展開されています。
持続可能な森林経営
三井不動産グループは、北海道に約5,000ヘクタールの森林を持ち、持続可能な森林経営に力を入れています。「植える→育てる→使う」というサイクルを通じて、自然資源の循環を実現し、未来に向けた環境への配慮がなされています。
未来のワーカーのために
この施設は、木材を通じてワーカーの健康と生産性を向上させることを狙いとしており、多様なニーズに応じた空間創造を目指しています。利用者がどのようにこの空間で過ごし、働くかが注目されており、働く環境における木材の活用がもたらす価値が期待されています。
この新しい拠点は、革新的な企業文化と持続可能な社会の実現を目指し、今後の発展が期待されているプロジェクトです。