アンリツとMVG社が5GデバイスのSAR測定機能を強化
アンリツ株式会社とフランスのMicrowave Vision Group(MVG社)は、電波が人体に与える影響の評価において、5G向けデバイスのSAR(Specific Absorption Rate)測定機能を強化したことを発表しました。この革新により、5G NR対応デバイスの安全性を一層高めることが可能になりました。
ComoSARシステムとの統合
この新しい測定機能は、MVG社のComoSARシステムにアンリツのラジオコミュニケーションテストステーションMT8000Aを組み合わせることによって実現されました。この統合によって、MT8000AがFR1(7.125 GHz以下)という周波数帯域に対応した5G対応デバイスのSAR測定を実施できるようになりました。
自動化された測定プロセス
特に注目すべきは、MT8000Aを使用することで、5G FR1スタンドアロンモードでユーザ端末の最大出力での通話を自動化できる点です。これにより、5G対応デバイスの無線安全性を迅速かつ効率的に評価可能です。また、3GPP規格TS38.508-1に基づいた試験周波数やユーザ定義の設定にも対応しており、LTE接続による試験もサポートしています。
安定した接続と正確な試験を実現
アンリツ・アメリカ・セールス・カンパニーのジェネラル・マネージャのKeith Even氏は、「MT8000AのテストソリューションをMVG社のComoSARシステムに統合することで、私たちは5Gの進歩に寄与していきます。MT8000Aは、FR1やFR2、LTEのRF測定、プロトコル、アプリケーションテストに対応した柔軟なプラットフォームです。無線接続環境でも安定した接続を維持し、精度の高いSAR試験が行えます」と述べています。
操作の簡素化と柔軟なシナリオ作成
MVG社のRFDAエリア・セールス・ディレクターのNicolas DOARE氏も、SARシステムの選択肢が増え、事前に設定されたシナリオを簡単に適用できるようになったことを強調しています。利用者は特定の条件やニーズに従った測定シナリオの作成も行えるため、操作が一層容易になりました。
5G安全性の新基準へ
この技術革新により、アンリツとMVG社は、5Gデバイスの安全性をより正確に評価するための新たな基準を提供していくことが期待されます。消費者にとっても、より安全で快適な5G環境が実現することに繋がります。
詳細についてはMVG社の公式ウェブサイト(
www.mvg-world.com)をご覧ください。
まとめ
今後もアンリツとMVG社は、さらに革新的な技術の展開を進め、5Gの安全性と性能向上に貢献していくことでしょう。高度に進化する通信技術の中で、医療、安全、ライフスタイルにおいても重要な役割を果たすことが期待されます。