新たな体験型酒蔵「雪と里山醸造所」
2025年冬、新潟県十日町市に誕生する「雪と里山醸造所」は、日本酒をただの飲み物ではなく、文化体験として楽しむ新しいスタイルを提案します。代表のデュケット智美氏は、「持続可能な地域づくり」を理念に掲げ、この場所で地域の魅力を最大限に活かした酒造りを行います。特に注目すべきは、初代蔵元として女性が新規に酒造り免許を取得した点で、日本初とされる試みの一つです。
「飲む酒」から「体験する酒」へ
日本酒は2024年にユネスコ無形文化遺産に登録されることが決定しており、これによりさらに世界的な関心が高まっています。雪と里山醸造所では、単なる酒造りに留まらず、訪れる人々に日本の文化と伝統を体験してもらおうと、さまざまなプログラムを用意しています。具体的には、麹やどぶろく、クラフトサケの仕込み体験、棚田での米作り体験、さらには自然との一体感を感じられる里山トレイルウォークなどが予定されています。また、デュケット氏自身が 講師を務める食と日本酒のマリアージュ講座も開かれ、参加者は日本酒の楽しみ方を学ぶことができます。
サステナブルな酒造りの実現
雪と里山醸造所は環境への配慮も忘れません。棚田で栽培された無農薬・減農薬の米を使用し、CO₂を排出しない自然エネルギーを用いて酒造りを行います。地域のバイオマスや雪室を活用し、「自然と共生する酒造り」を追求します。そして、これらの取り組みを通じて、地域経済の活性化にも寄与したいと考えています。
食と響き合う酒
特に注目を集めているのが、ホーリーバジルや無農薬ハーブを使用したクラフトサケの試作です。この酒は既にミシュラン星付きレストランにて高評価を得ており、世界の料理人とのコラボレーションも行われています。デュケット氏は、世界的に評価されているWSETレベル3の資格を保持しており、経験豊富な利酒師として、日本酒の食文化としての位置付けを再定義し、国内外のレストランと提携しています。
今後の展開
試作期間を経て、2026年春にグランドオープンを予定しています。クラウドファンディングを通じてより多くの人々に支援を呼びかけ、滞在型のSAKEツーリズムを展開する考えです。酒造りを通じて日本の文化を次世代に伝えるため、「仕込み・伝える・味わう・学ぶ」の4つの要素を統合した国際的な文化拠点の確立を目指します。
創設者プロフィール
デュケット智美氏は新潟市出身で、酒造りを通じた国際交流の経験を持っています。2024年にはMrs SAKE JAPAN グランプリを受賞し、その活動は国内外で注目を集めています。日本酒の魅力を世界に発信するため、雪と里山醸造所を創設し、新たな挑戦を続けています。彼女の活動を通じて、日本酒の未来が拓かれることが期待されます。
新潟県十日町市の「雪と里山醸造所」は、未来の日本酒文化に新たな息吹を吹き込み、地域社会や環境への配慮を大切にしながら、皆様をお迎えする準備を進めています。