世界的ミュージカル『ヘドウィグ』に新たな息吹を吹き込む演出とは

開幕！『ミッドナイト・レディオザ・ヒストリー・オブ・ヘドウィグ』

新たなステージでの『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の魅力が再び輝きます。ミュージカルの原作であり、創造者でもあるジョン・キャメロン・ミッチェルが7年ぶりに来日し、その背景や楽曲の成り立ちを自身の言葉で伝える特別なイベントが始まりました。

『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』は1998年のオフ・ブロードウェイでの初演以来、その革新性と衝撃的なテーマで多くの観客を魅了してきました。日本でも名だたる俳優陣がヘドウィグを演じ、その人気は衰えることを知りません。今回の公演『ミッドナイト・レディオザ・ヒストリー・オブ・ヘドウィグ』では、ミッチェルが直接観客に語りかける形で、作品の背後にある哲学や思想を披露します。

ライブ感あふれる舞台演出

ゲネプロの様子はまさにロックライブの様相。大迫力のバンド演奏が流れる舞台に、色鮮やかで大胆な衣装をまとったミッチェルが登場すると、すぐに観客はそのエネルギーに引き込まれます。
彼が歌い上げる「The Origin of Love」の瞬間、緊張感が一変し、観客の心を掴むその瞬間を生で体感しました。ミッチェルが示すヘドウィグの存在は、まさに親友のような愛おしさを持っていて、彼自身が持つ懐の深さを感じます。

ポップな映像とともに繰り広げられるステージは、ヘドウィグというキャラクターの創造の過程や、彼がいかにして生まれたのかを探る旅でもあります。スティーヴン・トラスクとの出会いや、プラトンの哲学が影響を与えたことに触れるたびに、観客は新たな視点を持つことができます。

名曲「Wicked Little Town」や「Sugar Daddy」はもちろん、特に聴き逃せないのが「Milford Lake」。これは『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』本編では歌われない楽曲で、特別な体験となること間違いなしです。ミッチェルの衣装の変化も見所で、彼自身のエンターテイメントとしての力量がここに凝縮されています。

観る者を虜にする魅力

本作品を初めて観る人も、すでにファンの人も楽しめるのがこの公演の魅力です。視覚だけでなく、聴覚をも刺激するロックミュージカルの真髄が、観客を新たな世界へと引き込みます。ミッチェルの言葉や歌声に触れたとき、ヘドウィグが長年にわたり愛される理由がわかります。このような特別な経験を通じて、観客は胸に抱えたヘドウィグを自身の人生の中に持ち帰ることができるでしょう。

ジョン・キャメロン・ミッチェルのコメント

取材を通じて、ミッチェルからのコメントも聞きました。「日本の皆さん、7年もお待たせしました。今回はオーストラリアや韓国を経て、ようやく日本にお越しできて嬉しいです。私の人生や文化を大切に思う気持ちが、日本の人々と共通していると感じます」と語る彼は、特別な感情を作品に込めています。これからの公演が彼が考える「ヘドウィグ」の未来をどう迎えるのか、期待が高まります。

ぜひ、今回の公演『ジョン・キャメロン・ミッチェルミッドナイト・レディオ』に身を委ね、この偉大な作品がどう生まれ、どう成長してきたのかを体感してください！