舞台『母と暮せば』の再々演について
2024年12月29日(日)、CS衛星劇場にて舞台『母と暮せば』の2024年版がテレビ初放送される。この作品は、戦後の長崎を舞台にした物語であり、富田靖子さんが母・伸子役、松下洸平さんが息子・浩二役を演じる。2018年版、2021年版に続く再々演として、多くのファンが期待する中での放送が実現した。
『母と暮せば』の背景
この舞台は井上ひさしの原案をもとにしており、長崎を舞台に戦後の命の大切さを描いた「戦後“命”の三部作」の最後の作品である。前2作『父と暮せば』と『木の上の軍隊』に続き、今回は特に母と子の強い絆がテーマとなっている。富田さんと松下さんは、初演からこの作品に携わっており、彼らの演技は回を重ねるごとに深まっている。
再々演の決まり方とキャストの思い
再々演が決まった際の心境を富田さんは「前回の公演が中止になって悔しい思いをしていた分、やれることが決まって嬉しかった」と話す。また、松下さんも「長崎の皆さんがこの作品を待ってくださっているのを感じていたので、気を引き締めて臨まないと」と強調した。
演出面での変化
再々演に向けた演出の変化についても語られた。富田さんは、栗山民也演出がより家庭的な雰囲気を強調していると感じており、「家の中だから大きな声を出さないこと」に意識が向けられている。また、松下さんも「客席ではなく家の庭を想像しながら演じることで、観客を物語の中に引き込むことができる」と述べた。これらの工夫によって、よりリアリティのある親子関係が表現されている。
二人芝居の難しさ
富田さんにとって『母と暮せば』は初の二人芝居であり、台本を受け取った際の驚きやプレッシャーを隠せなかったという。しかし、100回以上の上演を経た今、台詞が自然に身体に染みついているため、心の余裕を持って役に入り込めるようになったと語る。松下さんも同様に、「母親の気持ちを考える余裕があり、より深い演技ができている」と話していた。
視聴者へのメッセージ
放送を楽しみにしている皆さんへ、松下さんは「作品の想いを映像でも伝えられるように頑張ったので、一人でも多くの方に見ていただければ嬉しい」とコメント。また、富田さんも「多くの人に見ていただくことで、この作品が次の世代に残ると思う。ぜひ多くの方に伝えてほしい」と熱意を語った。
最後に
『母と暮せば』は、親子の絆を描いた深い物語であり、これからも多くの人々に感動を与えていくことだろう。12月29日の放送をお見逃しなく!