2025年法人向け電話サービス顧客満足度調査の結果から見る業界の現状

2025年法人向け電話サービス顧客満足度調査の結果

J.D. パワージャパンが毎年実施している法人向けIP電話・直収電話サービスの顧客満足度調査が、2025年版の結果を発表しました。この調査は、日本国内の法人を対象にしており、年々企業間での電話サービスへの評価が変化している様子を捉えています。

クラウドPBXの満足度改善の兆し

本年の調査では、IP電話や直収電話サービス全体の満足度が614ポイント（評価は1,000ポイント満点）で、前年より5ポイントの減少となりましたが、業界全体としては顕著な変化は見られませんでした。それでも特に注目すべきは、クラウドPBXサービスの満足度が21ポイント向上し、顧客評価の改善が実感されています。

クラウドPBXの満足度を支えている要因の一つは「サービス内容／品質」です。このファクターでは前年から37ポイントの改善が記録され、「障害・トラブルの少なさ」や「通話音質の良さ」において高い評価を得ています。また、「障害・トラブル対応」についても、53ポイントの大幅な改善が見られ、迅速な状況理解や各種報告の正確性が特に評価されています。これらの向上は、今後のクラウドPBX導入の拡大に期待を抱かせる結果となっています。

大企業の積極的なクラウドPBX導入意向

調査では、PBXの更改時にクラウドPBXを選択する意向を示す企業は全体で21%となっており、大企業の間ではその割合が32%に達しました。前年の26%からの増加は特筆すべき点で、既に利用中の企業は全体の約10%にすぎませんが、大企業を中心に今後の導入が増える見通しです。しかし、多くの企業が「通話音質」や「サービスの安定性」といった品質面に懸念を持っていることも事実です。

顧客満足度No.1に輝いたKDDI

今回の調査で、総合満足度第1位はKDDIが636ポイントで獲得し、13年連続の受賞となりました。「サービス内容／品質」や「営業・導入対応」において、他社と比べて高い評価を得ています。続いて、NTT西日本が620ポイント、第3位にNTTドコモビジネスが619ポイントでランクインしました。

調査内容の詳細

この顧客満足度調査は、全国の法人を対象に毎年行われており、2025年の調査では2,436社から3,221件の回答をもとに満足度を算出しています。調査内容は「サービス内容／品質」、「コスト」、「営業・導入対応」、「障害・トラブル対応」の4つのカテゴリに分けられ、顧客のフィードバックをしっかりと反映しています。

今後もクラウドPBXやIP電話サービス業界のさらなる成長が見込まれる中で、顧客満足度の向上に取り組む企業の姿勢が重要な鍵となるでしょう。引き続き、通信品質やサポート体制の改善が求められています。