2024年のライブ・エンタテインメント市場が前年比118.9%に拡大

2024年上半期のライブ・エンタテインメント市場が変革を迎える

一般社団法人コンサートプロモーターズ協会が発表した2024年上半期のライブ・エンタテインメント市場に関する調査データによると、公演数や動員数は前年とほぼ同水準を維持する中、市場規模は118.9%に成長しています。これは、2024年1月から6月までのデータをもとにしたもので、特に注目すべき結果です。

調査の背景と意義

この調査は1989年から続けられており、国内のコンサートプロモーターによる活動と市場動向を記録した唯一の資料です。調査対象はACPCの正会員企業に限られているため、全国のライブ市場の全貌とは異なるものの、そのトレンドを探る上で重要なデータとなっています。

市場概況の詳細

1. 公演数と動員数の推移

公演数および動員数は前年と比べて横ばいの状況であるものの、全体の市場規模は前年同期比で118.9%に拡大しているのが大きな特徴です。特に、コロナ禍前の2019年上半期と比較しても、各指標が上回る結果となっています。しかし、地域別に見ると、関東、東海、近畿、九州沖縄といった地域のみがコロナ前の水準を上回っており、他の地域では依然として水準を下回っています。

2. 地域別の公演数の増減

北海道、北陸信越、中国四国、九州沖縄地域では公演数が前年上半期よりも増加していますが、その他の地域では減少傾向が見られます。また、会場規模別ではアリーナやライブハウスの公演数が増加している一方、スタジアム公演は93.8%、ホール公演は95.4%と、前年同期比で下降しています。

3. アリーナ公演の躍進

アリーナ公演は、関東圏に新たに設立された約250の会場が稼働したことで、公演数は1,174回（前年同期比119.9%）を記録することができました。動員数も972.9万人と前年同期より127.4%の増加を見せています。

4. K-Popアーティストの影響

最近のトレンドとして、K-Popアーティストの公演数は380回（前年同期比121.8%）に達していますが、アリーナ公演が減少傾向にあり、動員数は243.2万人（前年同期比88.3%）にとどまっています。このように、人気アーティストによっても市場は影響を受けていることが見て取れます。

5. チケットの平均単価

2024年上半期におけるチケットの総売上額を総動員数で割った平均単価は、前年同期比119.1%の¥10,408となっており、一部の大規模公演でのチケット価格の上昇や、円安による海外アーティストの招聘公演の影響が大きいことが伺えます。なお、他の公演の価格上昇幅はそれほど顕著ではないと考えられています。