日本国内でのMSC認証水産物事業者数が急増中
世界には数多くの水産物が流通していますが、それに伴う漁業の持続可能性が重要な課題となっています。日本国内でMSC CoC認証を取得した事業者数が400を突破し、とうとう水産業界の中で中国やアメリカに次ぐ世界3位となったというニュースが入ってきました。この成果は、持続可能な漁業を目指す動きの一環であり、今後の発展が期待されます。
MSC CoC認証とは?
MSC(海洋管理協議会)による「海のエコラベル」は、持続可能な漁業を証明するための重要な認証システムです。このシステムでは、漁業が持続可能な水準にあるかどうか、環境への影響が最小限であるかどうか、長期的な持続性が確保されているかという基準を満たす必要があります。
日本国内で初めてMSC CoC認証が取得されたのは2006年ですが、その後、事業者数は年々増加。最近のデータでは、特に2016年から2019年にかけて急成長を遂げました。この期間には前年比35〜40%の成長率を記録しており、背景には水産資源の危機感の高まりやSDGs(持続可能な開発目標)の影響があります。また、新型コロナウイルス感染症の影響で企業数の増加が一時的に鈍化しましたが、その後は再び上昇傾向にあります。
日本における水産物の現状
日本国内では、4つの主要な業態—商社、加工企業、卸売業者、小売業者—がMSC CoC認証を取得し、水産物の持続可能性に対する意識が高まっています。また、特にマグロやカツオ類を扱う事業者の数が急増しており、これは国内外でのマグロ・カツオ類のMSC漁業認証取得が増えているためです。このように、マグロ・カツオに特化した事業者の認証取得が増加していることが特徴的です。
外食産業においても、ホテルやレストランを含む外食関連事業者が水産物のMSC認証取得を目指して協力を強化しています。これまでサステナブルな水産食品への関心が小売や水産業界に偏っていた状況が、外食業界にも広がってきている様子が見て取れます。
今後の展望
MSCジャパンは今後も、MSC CoC認証取得事業者との連携を強化する方針です。認証取得を目指す企業に向けたサポートも積極的に行い、持続可能な水産業のさらなる拡大を促進していく計画です。サステイナブルなシーフードを提供することが、消費者にとっても大きな価値を持つ時代に突入しています。
MSC(海洋管理協議会)とは
MSCは1997年に設立された国際的な非営利団体です。将来世代に水産資源を残すために、持続可能な漁業を普及させることを目指しています。世界中で25カ国に事務所を持ち、2007年に日本においてもMSCジャパンが設立されました。2024年度には、全国で約660品目が取り扱われる見込みです。
この動きは国内外での持続可能なフードシステムの確立に向けて重要な一歩となる期待が寄せられています。今後もMSC認証水産物の普及が進むことに注目です。