ヒビノと梓設計の業務提携の背景とメリット
音響・映像システムを手掛けるヒビノ株式会社が、スポーツ施設設計の大手、株式会社梓設計のスタジアム・アリーナビジネスユニットと業務提携を発表しました。今回の提携は、両社が結集した専門性により、スポーツ・エンターテインメント施設における新しい「空間体験」を創出することを目的としています。
スポーツ施設に新たな潮流
近年、スポーツ庁が推進する「スタジアム・アリーナ改革」に伴い、全国各地でスタジアムやアリーナの開発が進んでいます。2025年1月の統計によると、現在、全国で45件のアリーナと34件のスタジアムの新設や改築計画が進行中とのことです。これからのスポーツ施設には、単に観戦するだけでなく、感動や熱狂を提供するための「見せ方」や、集客・収益性を高めるための付加価値が求められています。これには、「体験価値」を重視した企画や設計が不可欠です。
提携の具体的な内容
ヒビノは、音響・映像・照明・制御・ネットワークといった特殊演出設備分野で豊富な経験と実績を有しています。これに対し、梓設計はスポーツ施設の設計において国内屈指の専門知識を誇り、まちづくりや運営可能なプラン提案においても評価されています。
この業務提携により、両社は新設や改築を検討するアリーナやスタジアムの事業者に対し、企画から設計、施工、運営まで、トータルでサポートする体制を築くことが可能になります。これにより、訪れる人々が体験する「空間」と「体験」の融合が実現し、スポーツ・エンターテインメント施設の価値が大幅に向上することを目指します。
両社のビジョン
梓設計のスポーツ・エンターテインメントドメイン長、永廣正邦氏は、「スポーツとエンターテインメントが融合する中で、施設には多様な体験を提供することが求められています。ヒビノとの連携により、場と時間が調和する設計が可能となり、五感で楽しめる新たな体験価値を提供できると信じています」とコメントしています。
ヒビノの代表取締役副社長、吉松聡氏も「創業以来培った音響と映像に関する技術力は、最高のエンターテインメント空間を創出するための重要な要素です。梓設計との提携を通じて、世界に誇る施設づくりに寄与できると確信しています」と述べています。
最後に
この業務提携は、両社の強みを生かし、今後のスポーツ・エンターテインメント施設の進化を促進する重要なステップとなります。施設設計の初期段階から、一貫した専門コンサルティングを提供し、より多様で魅力的な空間体験が創造されることでしょう。
本提携を通じて、未来のスポーツ施設の形が具体化していくことに期待が寄せられています。