エレコム株式会社の国際展開
エレコム株式会社(本社:大阪市中央区)が、厚生労働省の「令和7年度 医療技術等国際展開推進事業」に、昨年度に引き続き採択されたことが話題を集めています。この事業は、同社が開発した新生児蘇生法講習シミュレーターを活用し、モンゴル国での新生児蘇生技術の向上を目指す取り組みです。
事業の背景と実施内容
新生児期の蘇生技術の向上は、多くの命を救うために不可欠です。エレコムはこれまでに、カンボジア、ネパール、コンゴ民主共和国、ラオス人民民主共和国、そしてモンゴル国と、5か国において実証研究と講習を行ってきました。その結果、医療教育機器の国際展開を進めることで、各国の公衆衛生や医療水準の向上に寄与することを目指しています。
訓練の実施とインストラクター育成
2024年9月には、モンゴル国の首都ウランバートルで新生児蘇生法のシミュレーション訓練が行われることが予定されています。令和6年度には、日本の専門家による現地講習が実施され、モンゴルの新生児科医45人が研修を受け、「新生児蘇生法研修インストラクター」として育成されました。
また、事業内で新生児蘇生法のガイドラインが更新され、モンゴル語に翻訳された研修教材がモンゴル国の保健省に承認を受けたことも大きな成果です。このようにグローバルな医療教育体制の構築に貢献しています。
今後の展開と訓練プログラム
今年度の取り組みでは、これまでの訓練成果を基に、モンゴルの新生児蘇生研修プログラムにデバイスを導入する体制の整備が進められ、人材育成がさらに強化されます。特に、地方医療の教育機会を均一化するため、都市部と地方部との格差を縮める取り組みが進められます。
エレコム株式会社は、一般社団法人日本周産期・新生児医学会やモンゴル国周産期学会と連携し、モンゴル国内の医療者の支援や教育の質向上に貢献し続けます。
新製品「Saving baby」の導入
また、今夏には新生児蘇生法シミュレーション訓練補助デバイス「Saving baby」を日本国内で発売する予定です。このデバイスは、訓練用聴診器と専用アプリを用いて新生児の心音をシミュレートし、低コストで効果的な訓練を可能にします。低コストで実践的な訓練ができるシミュレーターとして、今後の医療教育に大きな影響を与えることが期待されています。
日本の医療制度や技術を国際的に展開することで、日本と相手国の公衆衛生向上に寄与する本事業は、企業の存在意義を実証する重要なプロジェクトであることが明らかです。エレコムの挑戦は、持続可能な社会の実現に向けて続いていくことでしょう。
詳細については、エレコムの公式ウェブサイトで確認できます。