心と心を繋ぐキャッチボールの物語「白い虹を投げる」
日本のプロ野球選手会が推薦する新刊小説「白い虹を投げる」が、株式会社Gakkenから2025年3月3日に発売予定です。本作は、春を待つ多くの人々に向けて、特に野球を愛する子供たちやその家族に読んでもらいたい一冊です。この物語は、個々の思いや人間関係がスポーツを通じて結びつく様子を描いており、感動的な内容となっています。
作者は吉野万理子さん
小説の筆者は、人気の「チームふたり」シリーズで知られる吉野万理子さんです。彼女は日々の生活の中でスポーツがどのように人々を繋げるかを深く掘り下げ、「青空トランペット」のような作品でも、応援の力や繋がりについて描いてきました。彼女の作品には、独自の視点からスポーツの魅力が盛り込まれています。
転校生と不安な少年
物語の中心にいるのは、野球少女ヤヤと野球チームのキャプテン葉央です。ヤヤは「中川ペルセウス」というチームでエースを務めていましたが、転校を機に新たに加入した「桜坂ナイン」に馴染めずに苦しむ姿が描かれています。また、彼女は日本人の父親とアメリカ人の母親の間に生まれたことで、帰属意識に苦しんでいます。自身のアイデンティティに対する葛藤や、女子が甲子園に出られない現実に向き合うヤヤの姿は、多くの読者に共感を呼ぶことでしょう。
一方、葉央はチームのキャプテンとして、脚の手術を終えたばかりの弟トモを気遣いながらも野球に情熱を燃やしていますが、彼もまた自分の心の中で葛藤を抱えています。兄として弟を思うあまり、野球の話題を避けつつ、自身が抱える悩みに直面していく様子が描かれ、彼の心情がますます深みを持っていきます。
結びつく二人と「キャッチボールクラシック」
二人は、スマートフォンやパソコンのメッセージを通じて思いや悩みを共有するようになります。そこで知ったのが「キャッチボールクラシック」という新たなスポーツです。これは相手チームがいなくてもできる競技で、彼らは次第にこの新しい競技に夢中になっていきます。県大会で再会することを誓った二人は、それぞれのチームで練習を重ねますが、普通の野球とは異なり、思わぬ困難に直面します。
プロ野球選手からの推薦
この小説は、日本プロ野球選手会の理事長である丸佳浩さんからも推薦されています。彼は、「チームスポーツだからこそ味わえた瞬間を、皆さんにも読んでほしい。それが私が野球を続ける理由でもあります」と語りかけています。これはまさに、スポーツが持つ絆の力を象徴しています。
書籍の詳細
新作小説「ティーンズ文学館白い虹を投げる」は、吉野万理子さんが著し、黒須高嶺さんが絵を担当しています。定価は1,760円(税込)、全232ページで、電子版も同時に発売されます。
- - 発売日:2025年3月3日
- - ISBN:978-4-05-206059-5
この素晴らしい物語をぜひ手に取ってみてください。スポーツを愛する全ての人々に向けた、一冊に仕上がっています。