デジタル時代の中で手帳に求められる役割とは？認知症対策と終活に寄与する手帳の新たな活用法

手書きの重要性が再認識される中での手帳の役割

デジタル化が急速に進展する現代社会において、我々はスマートフォンやその他のデジタルツールに依存することが増えました。しかし、この便利さの裏には「スマホ認知症」という新たな問題が浮上しています。この背景には、手書きの機会が減少し、脳を使う機会が失われていることが深く関与しています。

株式会社高橋書店は、全国の10～60代1,000人を対象に手帳に関する意識調査を実施し、「手帳白書2026」を発表しました。この調査からは、デジタルツールの使用が日常生活に及ぼす影響や、手帳の重要性が浮かび上がってきます。

スマホ認知症と手帳

調査の結果、実に63.2％の人がスマホの使いすぎが自身の生活や健康に悪影響を及ぼしていると感じています。また、68.2％の人が手書きの機会が減ったと答え、その中でも56.6％は漢字を書くことが難しくなったと実感しています。これらのデータは、私たちが手書きの重要性を再認識する必要があることを示唆しています。

さらに、54.7％の人々がデジタルデトックスを試みたいが、実行できないと感じていることも明らかになりました。しかし、デジタルデトックスを意識している人の多くは、手書きの日記や読書などアナログな趣味を取り入れています。手帳がその一助になることは間違いありません。

プレ終活と手帳

最近、「終活」という言葉が注目されています。調査によると、47.5％の人が終活の準備が必要だと感じながらも、60.0％は実際には行動に移せていないとのことです。しかし、81.3％の人が手帳を使った「プレ終活」が有効だと回答しています。手帳を使うことで思いつくことを簡単に記録でき、意識と行動とのギャップを埋める手助けとなるでしょう。

また、弁護士の北村真一氏は、「プレ終活」のために手帳に専用のページを作り、思いついたことをすぐに書き留めることの大切さを説いています。このように手帳は、人生の重要な出来事や考えを整理し、次に進むための道しるべにもなります。

災害対策としての手帳の活用

災害が頻繁に発生する日本では、手帳は非常時の備えとしても重要です。調査によると、79.6％の人が災害時の連絡先や重要な情報を記録していると答えています。特に、10代から20代の若者たちの36.8％が手帳を有効に活用していることも注目すべき点です。

手書きによって気持ちを整理できるという意見も多く寄せられており、災害時に不安や恐怖を言語化することで、精神的な安定をもたらすことが期待されています。

手帳の新しい使い方

スマホの利用が一般的な今でも、手帳の使用が根強い理由は多くあります。実際、31.7％の手帳ユーザーが「手書きが記憶に残りやすい」と感じており、手帳をメインのスケジュール管理ツールと位置づけています。また、手帳にはToDoリストや仕事の予定、家族の記念日など多彩な使い方が広がっています。

手帳を使うことで、デジタルツールでは分断されがちなタスクと個人的な出来事を一元管理しやすくなり、安心感をもたらすでしょう。