急増する太陽光発電所のケーブル盗難
近年、国内での太陽光発電所におけるケーブル盗難が深刻な問題となっています。2024年に入り、警察庁の調査によると、太陽光発電施設での金属ケーブル窃盗が前年に比べて1.5倍も急増していることが判明しました。2023年には5,361件が認知されましたが、2024年の上半期だけで4,161件と今のペースでは年間の認知件数が過去最高更新の可能性があります。このような背景には、金属のスクラップ価格の上昇が影響しており、特に銅の価格は大きく上昇しています。
盗難被害の実態
エクソル株式会社は、この問題の重要性を認識し、太陽光発電所における盗難対策に力を入れています。特に、同社に関与する発電所での盗難被害の相談が増えており、約73%の営業担当者が取引先からケーブル盗難についての対策を求められた経験があることがわかりました。ある発電事業者は、盗難被害に遭った際に「警察への届け出や保険手続き、復旧工事に約5か月かかり、その間の事務的負担が非常に辛かった」と語っています。
アルミニウムケーブルへのシフト
エクソルはこのような状況を踏まえ、太陽光発電所のケーブル盗難対策として、アルミニウムケーブルを用いた工事を導入しました。銅ケーブルに比べてアルミニウムは単価が安く、盗難犯が狙う対象となる確率が低いのです。また、これまでのデータから、現在の金属盗難において銅が51.8%を占め、アルミニウムはわずか3.2%に留まっています。このため、エクソルがアルミニウムケーブルの使用をアピールすることで、一定の効果を期待しています。
評価サービスの強化
さらに、エクソルは「XSOL SOLAR STAR補償」と呼ばれる災害補償が付帯する太陽光発電所評価サービスを展開しました。これにより、万が一盗難事故が発生した際にもきちんとサポートできる体制を整えているのです。暴かれた被害者が再び事業を立ち直るための助けとなることでしょう。
持続可能な安心の提供
今後、エクソルは「持続可能な発電所」の構築を目指して、盗難防止策を一層強化します。メンテナンスや草刈りを行い、発電所が人手の入った状態であることを示すことで、狙われにくい環境を作り出すことが期待されています。また、取引先との協力体制を構築し、情報共有や適切な対応を進める意向も示しています。
会社概要
エクソル株式会社は、全国で太陽光発電システムの設計から建設、メンテナンスまでを手掛ける企業です。代表取締役社長の鈴木伸一が率いる同社は、東京都港区に本社を構えています。今後のさらなる成長に向けて、業界全体での安全な運用を推進しています。