チリの海を守る寄付キャンペーンが始まる
環境保護活動を推進する公益財団法人WWFジャパン(世界自然保護基金ジャパン)が、チリ共和国の海の生物多様性保全と持続可能な水産業の実現を目指す新たな寄付募集キャンペーン「海流の贈りもの~みんなチリの海に支えられている~」を開始しました。3月を迎え、私たちの「食」生活にも影響を及ぼすこの重要な活動に、ぜひご注目ください。
チリの生態系と生物多様性
チリ南部の沿岸は多様な海洋生物が生息する豊かな生態系を持っています。チリイルカやシロナガスクジラ、さらにはマゼランペンギンやフンボルトペンギンといった海の生物たちが、ここで生き生きと暮らしています。この地域は、南極海から流れ込むフンボルト海流や湧昇流によって豊富なプランクトンを生み出し、海の生物たちとそれを支える地域住民の生活を支えています。
しかし、この自然は70年代以降のサケ養殖の拡大や過剰漁獲、さらには気候変動の影響を受けてきました。特に、チリ産のサケはアメリカや日本に多く輸出されており、日本国内で流通するサケ・マス類の約6割を占めています。つまり、日本人の食卓にもチリの海の恵みが直接関連しているのです。
WWFジャパンの取り組み
WWFジャパンは2014年からWWFチリと連携し、チリの海の生物多様性保護と持続可能な水産業の発展を目指し、さまざまな活動を進めています。これまで、海洋生物の生息地に関する調査や、海洋保護区の管理強化、持続可能なサケ養殖の推進、漁業管理の強化などを行ってきました。その結果、チリイルカの生息状況を把握し、地域住民との協力による保護区管理計画の策定や、ASC(Aquaculture Stewardship Council)認証の拡大など、多くの成果を上げています。
特に、ASC認証は養殖の環境負荷を軽減し、地域社会への配慮を行うための国際的な基準として、信頼性が高いと評価されています。このような認証を取得することによって、消費者に選ばれる持続可能な水産物を提供することが可能になります。
寄付の重要性
今回の寄付キャンペーンは、チリの海の豊かさを守るための重要なステップです。寄付金は、チリイルカの保全計画の策定と実施、地域住民や行政との連携による海洋保護区の管理に活用されます。これにより、チリの生物多様性保全と持続可能な水産業の実現が期待されています。
さらに、2025年2月28日までに寄付をいただいた方には、感謝の意を示すため、ポストカードのセットやペンギンマグネット、ペンギンタオルハンカチなどの特典を用意しています。キャンペーンの詳細や寄付方法については、特設サイトをご覧ください。
寄付キャンペーン「海流の贈りもの~みんなチリの海に支えられている~」は、私たちの日常に密接に関連している海の生態系を守り、未来にわたってその恵みを享受するための大切な活動です。皆さんのご支援をお待ちしています。
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WWFについて
WWF、すなわち世界自然保護基金は、1961年に設立され、100カ国以上で環境保護活動を展開しています。人と自然が調和した未来を実現するために、生物多様性の保全や地球温暖化の防止に寄与する活動を続けています。詳細はWWFジャパンの公式サイトをご覧ください。