東急不動産とチューリングの資本業務提携
2023年11月17日、東急不動産ホールディングス株式会社(以下、東急不動産HD)とチューリング株式会社(以下、チューリング)は、レベル5の完全自動運転車両の実装に向けた資本業務提携基本契約を締結した。この提携をもとに、両社は自動運転技術の共同実証を進める計画を立てている。
提携の背景と目的
東急不動産HDは、トラックドライバーの不足など、2024年問題を背景に交通インフラの課題に対応している。一方、チューリングはE2E(End-to-End)自動運転技術の開発を進めており、両社の技術を組み合わせることで、物流の効率化や都市部での交通の円滑化を目指している。具体的には、両社は東急不動産が手掛ける新規・既存の開発案件において、チューリングの自動運転車両の走行データを収集することに協力し、共同で実証実験を行う計画だ。
施策の詳細
東急不動産HDは、九州圏や関東圏での「GREEN CROSS PARK」として知られる産業まちづくり計画の一環として、高速道路IC近くのエリアを整備し、物流拠点のネットワーク化を進めている。このように、両社の提携によって物流の自動化を進めることで、産業団地内での無人物流やロボタクシーによる人流の新しいモデルの構築を目指す。
各社のコメント
提携に際して、東急不動産の執行役員である佐藤公俊氏は、物流施設や産業団地などの多様なアセットとチューリングの技術を組み合わせることで、レベル5自動運転を実現し、新たなビジネスモデルを構築したいと意気込みを語った。
チューリングの山本一成氏は、完全自動運転技術が人や街のあり方を根本から変える可能性を持つとし、国産の自動運転を早期に実現するために全力を尽くすと述べた。
今後の展望
この資本業務提携により、両社は自動運転技術の実用化へ向けての一歩を踏み出した。今回の取り組みは、都市部での交通の円滑化だけでなく、物流業界全体に革命をもたらす可能性を秘めている。例えば、ロボタクシーによる新たな交通サービスや、産業団地内での自動化ソリューションの実現が期待される。両社は今後、さらに連携を強化し、共同での実証実験を進めていく方針だ。
企業情報
本社所在地:東京都渋谷区道玄坂1-21-1
代表者:西川弘典
設立日:2013年10月1日
企業サイト
本社所在地:東京都品川区大崎1丁目11−2
代表者:山本一成
設立日:2021年8月
企業サイト
この提携は、日本の自動運転技術の発展を促進し、未来の交通インフラを革新する重要な一歩と捉えられている。今後の進展に、期待が寄せられている。